「性犯罪の加害者は、単に法を犯したというだけではなく、破廉恥な犯罪として扱われ、家族などからも見放される場合が多くあります。ただし、一般的に犯罪者の更生には、家族の支援が最も重要です」
事件が起きると、その犯人の家族も世間から厳しくバッシングを浴びるケースは少なくない。“魂の殺人”とも呼ばれる性犯罪であれば、なおさらだ。出口氏が言うように、家族が離れていくケースも多いのだろう。
私にも守るべき子供がいる
だが記者は、5年ほど前に傍聴したある強制わいせつ事件の裁判で、被告人の妻が情状証人として出廷したときの様子を覚えている。
「夫が更生できるように支援して、家族を再構築していきたい」
と、涙ながらに語り、妻は葛藤しながらも夫の罪を許そうとしている様子が伺えた。今回の瀬戸の行動について、出口氏はどう見たのか。
「妻が夫に対して擁護的な立場をとっているのは、いまだ心情的に支援をしたいという気持ちが思い余ってのことかもしれません」
斉藤には幼い子どもがおり、瀬戸もインスタで、
《私にも守るべき子供がいますのでお伝えさせていただきました》
と記していることから、子どものためにも父親を犯罪者にしたくないという思いがあるのだろう。
しかし、現時点で被害女性は斉藤への処罰を強く望んでいるという。斉藤は起訴されるのか、それとも不起訴となるか、事件の行方は、まだ見えていない。