社会保険料の壁
社会保険料の壁は、厚生年金の加入要件である年収106万円以上(従業員50人以下の企業では130万円以上)にある。撤廃されれば加入者は増え、老後の年金も増えるようになるが、現時点では保険料を負担しなければならないため、目先の手取りは減る。
「社会全体の富を増やすしかないでしょう。石破氏はこれほどまで円安の国をつくってしまったアベノミクスの大失敗を認め、脱却する手立てを講じなければなりません」
4つめの壁が政治とカネの問題。政策活動費の廃止や調査研究広報滞在費の使途公開、政治資金の流れをチェックする第三者機関の設置などが検討課題に挙がっており、多くの野党が企業・団体献金の禁止を求めている。
「まず、政治資金パーティーを禁止すべきです。参加者側からみれば、パーティー券の購入は何がしかのつながりをつけておく意味合いが強い。多くはパーティーといっても、食事は置いてあるだけで手をつけず、受け付けを済ませて出席の証拠を残したら帰ってしまうのが実態です」
5つめの壁は、自民党内の抵抗勢力。内輪揉めしている場合ではないが、“石破おろし”が始まらないか。
「首班指名で白票などはなく、党内の裏切りはありませんでした。両院議員懇談会でも石破氏の責任を問う声はごく一部にとどまりました。来年度予算を審議する年明けの通常国会は6月に閉会予定で、翌7月は参院選です。内閣支持率が落ち込めば、党の顔を代えて選挙に挑むはず。石破おろしは、予算成立までは猶予期間とみていいでしょう」(前出・有馬さん、以下同)
6つめの壁は、米国のトランプ次期大統領(78)との外交。故・安倍晋三元首相はかつて他国の首脳に先んじてトランプタワーを訪問し、蜜月関係を築いたのは周知のとおり。安倍氏は大学卒業直後に米ロサンゼルスへの留学経験があり、岸田文雄前首相(67)も外務相を務めるなど外交手腕に覚えがあった。