そんな中野には、忘れられない“シーン”がある。
「ドラマの中で僕がどうしても言いたいと思ったアドリブのセリフがありました。しかし、監督からは却下。すると美穂さんが“そのアドリブを、ぜひやってほしい”と言ってくれて、通ったんですよ。美穂さんは、よく人のことを見ていて“この人には、この人の考えがあるから、それを大切にしてあげなきゃ”と思ってくれているのが、すごく感じられました」
「ママと社長とした約束を果たしたよ」
トップスターとして活躍を続けた中山さんは、デビュー当時に立てた誓いを叶える。前出の山中氏が明かす。
「あるとき美穂が“私はママと社長とした約束を果たしたよ”と言ってきて、家を建てたことを報告してくれました。母のために家を建ててあげたい。親孝行したいという気持ちがあったから、頑張れたんだなって」
果たせなかった約束もあったという。前出の竹中氏は、涙ながらに語る。
「かつて美穂さんと一緒に仕事をした人間は、今もつながっていてね。みんなで食事をすることもありました。私はもうすぐ70歳だし、みんな年をとってきたんですが、美穂さんは冗談めかして“私がちゃんとみんなを見送るからね”なんて言っていたのに……早すぎるよ」
葬儀の後、中山さんの妹・中山忍は、こうコメントを発表した。
《私にとって姉は「大好きなお姉ちゃん」であるとともに「みなさんの中山美穂」であり、「永遠のシャイニングスター」です》
その思い出は、今もキラキラと輝き続ける─。