中山さんの“引き際”
そしてその「品」は演技にも多分に作用している、と。
《中山さんの身体にまとわれた『品』は、昔の女性にあったような我慢する『品』と同じようなもののように感じます。たとえば、どんなに下衆な汚い台詞を言わせても、この人の口から出てきた、その瞬間からただの下衆な台詞ではなくなってくると思うのです》
そして、'95年という時代背景もあり、つかさんは中山さんの将来について、以下のように“想像”していた。
《この方は引き際をきっちり心得てる人だと思うのです。好きな男性ができたら、きっと芸能界から足を洗って、きちんと結婚して家庭を守ることができる人だと思うのです》
中山さんは'02年にミュージシャンで小説家の辻仁成と結婚。芸能活動を休止し、フランスに移住している。生前、スポーツ紙のインタビューで当時を振り返った中山さんは、フランスでは子ども中心の「本当に普通のお母さん」と主婦業に専念していたと語っている。
つかさんが予想した未来は訪れたが、残念ながら長くは続かなかった。何より彼女の人生がこれほど早く幕を下ろしてしまうなど、誰が……。