「短いスカートや、ウールの服以外の衣装を久しぶりに着たので、最初は"え!? こんなに脚が見えちゃっているけど、大丈夫なの?"って(笑い)」

 ご覧ください、『マッサン』の世界から一変、艶やかな姿のシャーロット・ケイト・フォックス。今年の12月、日本で公演が決まっているブロードウェイミュージカル『シカゴ』で主役のひとり、ロキシー・ハートを演じることが決定した彼女を直撃! それにしても、エリーと印象が違うけど?

「写真撮影前の準備中、心と身体にこの衣装がフィットするまで1時間くらいはかかったかな(笑い)。『シカゴ』のロキシーと『マッサン』のエリーはすべてが正反対の存在ですよね」

 ロキシーは自分を捨てた愛人を射殺し逮捕され、監獄の中から無罪をつかみ取ろうとする女性。かたやエリーはマッサンに寄り添って、家族を守っていこうと奮闘する良妻賢母……。

「エリーは愛にあふれた女性。私は21歳から61歳までを彼女として生き、その年月や体験を積み上げさせてもらいました。彼女は常にマッサンやエマ、ハナたち周囲の人のことを考えて生きている。エリーを通していろいろなことを学ばせてもらったので、すごく感謝しています。そして、これから演じるロキシーは……自分以外のことに興味がない女性(笑い)。だからといって、彼女がすべて悪いということではないんです。そういう環境で育ったというだけで自分の中だけで世界が回っているんでしょうね。そういう女性を演じるのも楽しいと思う」

 シャーロットいわく、エリーは自分の中に思いを深めていく女性でロキシーは感情のすべてが外にあふれ出ている、というイメージだそう。実は日本公演の前に、この作品でブロードウェイにも立つ彼女。役者なら誰もが夢見る舞台だけど?

「まだ現実感がないんです。現場に入ったときにパニックになるくらいのプレッシャーがくるのかも(笑い)。でも、不思議な感覚ですよね。自分が生まれた国で仕事をいただけるきっかけが、日本での朝ドラに出演したことって。私という存在を見ていただけたのは、間違いなく『マッサン』のおかげですし」

シャーロット・ケイト・フォックス
撮影/石黒淳二

 では、これからの目標と活動について教えてください!

「女優として常に"自分"を大切にしていきたいと思っています。誰でもない、自分という存在であり続けたい。そしてほかの俳優さんから、あの人と仕事をしたいと言ってもらえる女優を目指したい。日本は私にとって"第2の故郷"。特別な場所です。新しい挑戦ができる仕事に出会い、日本でも今まで以上に活動できればうれしいです」