便利さと危うさが表裏一体

 1枚のカードにまとめたほうが便利だが、怖いのはそのカードを紛失したとき。自分が気をつけていても、盗難や災害で紛失してしまうケースも考えられる。

「確かに、免許証なら免許センターや警察署に行かなくてはなりませんし、マイナンバーカードは区役所や市役所に行かなければなりません。それぞれを再発行してもらい、また一本化する手続きをしなくてはなりません。期間も1か月ほどかかってしまうので、その間は免許不携帯なので運転することができません……。

 そういったデメリットはあると思いますし、紛失するとそこから個人情報が漏洩してしまうという危険もあります。ですから、絶対に紛失しないように各自が気をつけるしかないと思います」

高齢者施設・介護施設がマイナカードを代理申請できない理由
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 これからマイナンバーカードに情報が一本化されていく流れは避けられないのでは、と田中さんはこう続ける。

「デジタル化することで、さまざまな手続きを簡略化できます。そもそもマイナンバーカードを政府が作ろうとしたとき、すべての個人情報を入れられるように、と提唱していました。今回のマイナ免許証も、マイナンバーカードの普及がいちばんの目的ともいえます。

 最終的には2枚持ちが認められている免許証も、マイナ免許証に一本化されていくでしょう。紛失したときのわずらわしさなどはありますが、それを上回る便利さがあり、コスパもいいですよ、と政府は提唱していますから」

 便利さと危うさが表裏一体のマイナンバーカード、その“進化”はどこまで続くのか─。