20151219 fujisawa (3)
撮影/伊藤和幸

「"ポップオペラ"って聞き慣れない言葉だと思うんですが、僕が初めて歌っている、前代未聞の音楽ジャンルのひとつなんです」

 曲のサビ以外はポップス。軽快な歌声は徐々に徐々に重厚さを増してゆき、サビでは壮大なるクラシックに変身を遂げる……! 藤澤が歌う、アニメ『新テニスの王子様』のオープニング曲(『未来の僕らへ』,12年)が流れると、ネット住民は"謎オペラ、キター!!!"と大騒ぎ。なぜか、聴く者の心をつかむ。

「僕、けっこう優柔不断で(笑い)。レストランに行くと、メニューで迷うんですよ。それが、たぶんよかった。僕はクラシックもポップスも好き。大学では声楽を学んでいたんですが、どちらか片方は選べなかった。両方を生かした音楽を、自分のオンリーワンのジャンルを作りたいと思ったんです」

 声楽家だった父と、歌謡曲やポップスなど歌の先生だった母との間に生まれ、家の中ではカンツォーネと『津軽海峡冬景色』が同時に流れているのは当たり前。セリーヌ・ディオンに感銘を受け、18歳で札幌から上京。音楽大学に通いながら、オーディションを受けまくること5年。自らの努力と歌声で道を切り開き、ついた名は"ポップオペラの貴公子"。

「自分で名乗ったわけではなく(笑い)。僕のファンは9割方女性で、そう言ってくださるうちが華。でも、いつまでも貴公子のままじゃいけないなと思ってるんです」

 ちなみに、女性に対しても優柔不断だったり?

「それはないです! そこがブレたら問題ですよね(笑い)。僕自体が極端にシャイでフワッとしてるので、引っ張ってくれる女性がいいのかな。僕も男なので、30歳を過ぎ、結婚もいつかはできたらいいな……という思いはあるんですが、今は音楽を第一に考えたい。よく"それで、寂しくないの?"って言われるんですけどね(笑い)」

 叶えたい夢は?

「『紅白歌合戦』出場と武道館ライブ。もっと言えばカーネギーホールにも立ちたい。自分でもどこまで行けるかわからないけど、行けるところまでは行きたいなと思っています。僕を知らない方はたくさんいると思いますが、ぜひ1度、コンサートに足を運んでいただいて、生のライブを聴いていただけたらと思っています!」