食事中の姿勢が大事
「パーキンソン病を患っていた私の父も、やはり肉を誤嚥して危険な目に遭いました。若いころと同じ大きさのものを食べても唾液の量が減っており、飲み込む力も弱っているからです。家族が食事をのどに詰まらせてしまった場合は、焦らずに救急車を呼びつつ掃除機を用意して。隙間用のパーツを使い、上にいって気道をふさいでしまう舌を押さえて詰まったものを吸引してください。指でかき出す場合や口を開ける際には、指を噛まれないよう気をつけましょう」(松永さん)
ほかに背中を叩く方法などもあるが、掃除機が使えるとの情報はありがたい。誤嚥を防ぐため、日頃からできることはあるだろうか。姿勢のスペシャリストで嚥下障害にも詳しい作業療法士の野村寿子さんにヒントをもらった。
「嚥下機能に不安のある方は特に姿勢が大事です。ゴックンしやすい姿勢での食事を心がけてください。下向きや猫背、また慌てて食べたり、おしゃべりしながらの食事は危険です。また、息が浅くならないようにしましょう。
口元の筋肉がだらしなく、ほうれい線が深くなってきたら“運動しましょう”のサイン。意識して口角を上げたり、声を出すことが大事。口元やのどの筋肉のトレーニングと考えて、カラオケで大声を出すのもオススメですよ!」
取材・文/山部和歌子