近年では、楽にお金を稼げると騙されて闇バイトに手を出す若者が後を絶たない。“ルフィ”などと名乗る指示役が、実行犯を募って犯行に及んだ広域強盗事件は記憶に新しい。

実行犯はギャンブル依存症の現役自衛官

「ルフィ事件で逮捕された実行犯の1人は、ギャンブル依存症の現役自衛官でした。闇バイトに加担して重い実刑を受けたら、依存症から回復できるとしても、失うものが大きすぎる。少子高齢化の時代に、未来を担う国の宝が、ギャンブルで人生をつぶされてしまっているのです」(田中紀子さん、以下同)

 田中さんによれば、友人からの誘いで違法賭博に手を出すケースが多いという。

 また、SNSにもオンラインカジノに関する情報があふれ、有名人が広告塔を務めるケースもあり、地獄への入り口はさまざまな場所で口を開けている。

警察庁のサイトでもオンラインカジノは違法だと注意喚起がされている
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どこに相談したらいいの?

 家族や友人など、身近な人がオンラインカジノに夢中になってしまったら、どこに相談すればいいのか。

「私たちのような、当事者の支援を行う団体に相談してください。当事者が相談に来るのが難しければ、まずは家族だけでも、地域の家族会などに相談してください。当事者の借金を肩代わりしないとどうなるのか、家族としては怖いはずです。だからこそ、肩代わりし続けることの危険性や、当事者との向き合い方を学んでほしいのです」

 だが、オンラインカジノ問題が注目を集めたことで、懸念することがあるという。

「芸能人やスポーツ選手が警察から聴取を受けていると盛んに報道されたことで、啓発効果はあったと思います。その一方で、いま困っている人たちが相談に来られなくなってしまう可能性があるとも懸念しています。

 違法行為なので、警察に逮捕されると思ってしまうかもしれません。相談機関は、通報したり、それを問い詰めたりはしないので、オンラインカジノで困っている人は一刻も早く相談に来てほしい。ギャンブルでの借金は免責されないといった誤った情報もありますが、多くの場合は債務整理が可能です」

 オンラインカジノは、ダメ、ゼッタイ!