横浜流星の安定した芝居
そんな人気キャラクターのふたりに、再登場の可能性はあるのだろうか?
源内が亡くなった後、蔦重は「俺、信じねえことにします。源内先生が死んだって」と、牢番が逃亡させた夢を語る。だがそれを須原屋(里見浩太朗)が「俺は源内先生の本を出し続けることで、源内さんの心を生かし続ける」と語り、蔦重を現実に引き戻している。実際に、田沼の庇護で生き延びたとする伝説も世には存在するのだが、普通に考えたら源内の再登場は難しいだろう。
一方、五代目瀬川は、後に武士の妻となり、ふたりの子供を出産。夫の死後、大工に嫁ぎ、後に尼になったとの説もあるが、定かではない。ということはいつか、江戸の市中で蔦重と瀬川がばったり再会などという展開がないか、思わず期待してしまう。ただし『べらぼう』では今後、蔦重の妻として橋本愛の出演が発表されていることからも、瀬川再登場の可能性は薄いかもしれない。
筆者は子供のころ、ドラマやアニメで好きなキャラクターが途中でいなくなると、「嘘でしょ。また何かの方法で出てくれるよね?」と、しばらく本気で熱に浮かされたものだが、今回は久しぶりにその気持ちを思い出させてもらえた。
瀬川と源内は、魅力的な人物がハッピーエンドでなかったからこそ、視聴者の心に残り続ける典型だろう。もちろん、その裏側には横浜の安定した芝居があり、小芝や安田との名シーンをたくさん積み重ねてきたからこそ、ふたりの不在がこんなにも身に沁みるのに違いない。
4月27日は大河ドラマには珍しく本編は1週休みで、出演者の尾美としのりや水野美紀、中村蒼らが出演する特番『大河ドラマ べらぼう ありがた山スペシャル』が放送される。横浜や安田もVTRで登場して名シーンを振り返るとともに、今後を予想させる内容もありそうだ。5月からの新章にも期待したい。