「恋人役と聞いて、正直めちゃくちゃ緊張しました。腹をくくって撮影に臨んだんですが、実際に紀香さんを目の前にしたら、やっぱりダメでした(笑い)」
バスガイドに転身する、崖っぷちの40歳女性・葉月を藤原紀香が演じることで話題のドラマ『ある日、アヒルバス』。今作で、7年付き合った葉月にプロポーズするけれど、残念な結果になってしまう年下の恋人・浩介を演じるのが山下健二郎。
初共演の藤原とは、同じ関西出身(山下は京都、藤原は兵庫出身)で、釣りが趣味(山下はルアーフィッシング、藤原は海釣り)という共通点もあり、すぐに距離を縮めることができたそう。
「紀香さんに“気にせずに、ガツガツ来てください”と、声をかけていただけたことが大きかったです。それから、リラックスして演じることができました」
山下が演じる浩介は、大手出版社に勤務する編集者。昨年の日本レコード大賞を獲得したダンスボーカルグループ、三代目 J Soul Brothersのパフォーマーとして活躍する姿とはまた違う、凛々しいスーツ姿が印象的。
「兄がバリバリのサラリーマンなので、話を聞いたり、街中にいるスーツ姿の男性を観察して役作りをしました。(編集者の仕事については)自分が取材のインタビューを受けたときのことを思い出しましたね。“こうだったな”って」
ドラマでは、男らしくプロポーズをしたつもりの浩介だけど、逆に葉月を傷つけることに。そんな2人の行方も見どころのひとつ。
「男としては、浩介の“オレが飯を食わせていく”って気持ちが、すごくわかるんです。でも、第一線で働いてきた葉月には、裏目に出てしまう……。僕自身、年上の女性とお付き合いしたこともなかったし、なかなか女性の心情を敏感に感じ取れるタイプでもないので、すごく勉強になっています。もし、自分が35歳くらいになって、そのときお付き合いしている女性がいたら、(プロポーズの)タイミングや言葉を間違えないようにしないといけないですね(笑い)」
撮影/廣瀬靖士