「本当に言葉にならないです。頑張って泣かないようにしてましたが……やはり泣いてしまいました」
言葉を詰まらせながら、土屋太鳳の目からは大粒の涙がこぼれた。ヒロインに選ばれたのは昨年7月。そして昨年10月から全身全霊で演じてきた津村(紺谷)希。
「改めて、この素晴らしいメンバーに出会えたことに、心から感謝しています」
と見つめた先には、やはり目を赤くした山崎賢人、清水富美加、葉山奨之、門脇麦、高畑裕太……。ともに、ストーリーを紡ぎながら、絆を深め合ってきた面々。本当に仲睦まじく、誰もがこの作品を離れがたいよう。夫・圭太を演じた山崎は、
「僕が夫として支えなきゃいけないのに、僕のほうが支えてもらっていた」
ライバル・一子役の清水も、
「年は変わらないのに、大変なスケジュールとセリフをこなして。なのに、いつも笑顔で迎えてくれて、本当にすごい人。菩薩みたい。心から尊敬してます」
と惜しみないねぎらいと絶賛が。10か月に及んだ過酷な撮影を乗り越えられた理由は、
「朝ドラのヒロインに選んでいただいたから、だと思います。(最終オーディションの)会議室で“ヒロイン、できますか?”と聞かれ“はい!”と答えた以上、絶対、完走しようと頑張ってきました。そして、本当にたくさんの方が優しさと愛情をくれたからできたんだと思います」
背負った重圧を、すべてパワーに変えて走り続けてきた。
「まれちゃんがこれからも夢を追って歩いていくように、私もこの現場でもらったものをしっかり栄養とし、恩返ししていきたいと思います!」
と飛躍を誓った。夢嫌いだった少女が世界一のパティシエを目指す物語の放送は、9月26日まで続く―。
撮影/佐藤靖彦