テレビ朝日のホームページによると、木村が演じるのは、単身赴任先で起きた事故によって過去5年間の記憶を失った男・家路久(いえじ・ひさし)。家路には妻と息子がいるが、なぜか2人とも“仮面”をかぶったように見えてしまい、表情も感情もうかがうことができない。妻子に対して愛情があるのかさえわからず苦悩する一方、彼の記憶の中には5年前に離婚した前妻と娘への愛着が……。
家路は、空白の5年間の日々を探るため、手元に残った謎の10本の鍵の束を手がかりに、過去の自分を探す旅に出る。その中で明らかになるのは、冷徹な仕事人間だった過去の自分。現在の心優しい自分からは想像もつかない人物像が徐々に明らかになっていく……というストーリー。
アイムホーム(I’m home)は、「帰ったよ、ただいま」という意味。「自分の本当の家族はどちらなのか?」「本当に帰る家はどこなのか?」を問いかける“自分探し” ミステリーの要素も加わったホームドラマになるという。
テレビ朝日は、ホームページで、
木村拓哉、
テレビ朝日連続ドラマ初主演!
ドラマ初共演の上戸彩と夫婦役で
記憶が消滅した父親に!?
まったく新しいタイプのホームドラマが
この春、誕生!!
と高らかに宣言。期待値の高さが伝わってくる。放送枠も同局の大ヒットドラマ『ドクターX』と同じ木曜夜9時だ。
しかし、気になる情報も。原作は、小学館『ビッグコミックオリジナル』に’97〜’98年に連載された石坂啓さんの同名漫画。『メディア芸術祭』漫画部門で大賞を受賞し、’04年に時任三郎主演で、NHKでもドラマ化されているが、両方の作品を知っているという漫画編集者によると、
「原作は、冷たい銀行マンだった主人公がアットホームでヒューマンな人間になるというストーリーです。“芸術祭”で受賞するようにシリアスな内容で、NHKのドラマも原作に忠実なシリアス一辺倒なので、正直あんまり面白くなかったですね」
今回もシリアスなドラマになるとすれば、人気下降が囁かれるキムタク。視聴率的には厳しいかも……。が、一方ではこんな意見も。テレビ誌のベテランライターはいう。
「ドラマの質は脚本家によって決まるところが大きい。今回の脚本は、フジテレビで『医龍』や『BOSS』などの高視聴率ドラマを連発した林宏司さん。以前、脚本を担当したNHKのドラマ『ハゲタカ』は、原作にはなかった奥行きのある人間ドラマに仕上がっていて、数多くのテレビコンクールで受賞するなど話題になりました。『アイムホーム』も原作では銀行マンですが、ドラマで木村さんが演じるのは証券マンに変更されている。原作から大きく離れて、よりダイナミックなストーリーを期待できると思います。シリアスの中にもくすっと笑えるドラマを得意とする脚本家ですし、涙あり笑いありの今までにない“キムタクドラマ”になって意外と大化けするのでは?」
その通りなら、仕事のできる冷酷無比な木村と、心優しい木村の両面を見れるかも。キムタクファンにとっては楽しみなドラマになりそうだ。