17日に出版される『嵐、ブレイク前夜』(主婦と生活社)では、そんな嵐の秘蔵エピソードが多数紹介されている。
同書によると、嵐がデビュー当時から目標にしていたのが、近い先輩であるV6だったという。
《デビュー会見の翌日、5人はハワイからの生中継でワイドショーに出演した。そのなかで、二宮はこんな抱負を語っている。「目標としては、同じバレーボールのV6さんを目指していきたいと思っています」》
嵐にとってV6といえば、『世界バレー』応援ユニットの先輩。さらに森田剛や三宅健は、Jr.時代もワンツーの人気を誇るリーダー格で、嵐の面々には憧れの対象だった。
当時、放送されていた『学校へ行こう!』(TBS系)は中高生には絶大な人気で、櫻井翔なども三宅が憧れの人だったという。
しかし嵐が現実にライバル視していたのはV6ではなく、大先輩ですでに国民的な人気を誇っていたSMAPだったというのだ。
《嵐がデビューした当時、SMAPはアイドルの枠を超え、芸能界の頂点に立とうとしていた。(中略)ある夜、スタッフたちと食事に行った松本は、こう切り出した。「嵐ってどんな感じ? 事務所のなかで、俺ら、どんな感じ?」その流れのなかで、ジャニーズのさまざまなグループの話になり、「やっぱり、SMAPが理想だよね。SMAP、すごいよね」もちろん、それを否定する者はいない。だが、彼はさらに、あの目力をいちだんと強めながら、こう聞いた。「でも俺ら、どうやったらあの人たち、SMAPを抜けるの?」》
SMAPといえば、当時すでに雲の上の存在。あまりに意外な松本潤の言葉に驚いたスタッフが、思わず「嫌いなの、SMAP?」と聞き返したという。
だが、松本潤は「同じ5人だし、どうやったらSMAPを抜けるかを毎日のように考えている」と答えたという。
《松本が、大先輩グループへのライバル意識をむき出しにした瞬間だ。実は当時、プロ意識がいちばん高くて、芸能の仕事に対していちばん本気だったメンバーが、松本。どうしたらよくなるか、どうしたらカッコよくなるか、どうしたら人気が出るか、というのをいつも考え、グループとしての戦略などについて、スタッフ目線の質問や意見を口にすることも多かった》
常に高いステージを目指す松本ゆえの、誤解を恐れないまっすぐな気持ちからの言葉だったようだ。
いまではSMAPと同じくジャニーズ事務所の看板グループとなった嵐だが、当時はかけ出しの若手アイドルグループのひとつにすぎなかった。
《ジャニーズ事務所のなかで、1番になりたい》
そんな松本潤の言葉を実現するまでの“ブレイク前夜”を赤裸々に綴っている同書。Amazonランキングの『本』部門で1位になるなど、ジャニーズファンを中心に話題を集めている。