「黒い車がマンション前に止まったんです。降りてきたのは中居クンでした。後部座席から、大きな買い物袋を2つ持って、マンションの中に入っていきましたよ」(近くの住人)
おととし3月に、肺がんで片肺全摘出の大手術を受けた正志さん。その後もがんはリンパや咽頭に転移し、手術や放射線治療を行ったが、病魔には勝てなかった。
最後は声を失い、水を飲むこともできなくなり、80キロ近くあった体重は40キロ台にまで激減。しかし、小康状態のときもあったようだ。
「早朝に、車庫から車を出そうとする中居クンのお父さんに会ったんです。声をかけると“今からゴルフに行くんですよ”と言ってゴルフバッグをパンパンと叩いていました」(前出・近くの住人)
正志さんは大のゴルフ好き。昨年の今ごろにも、息子たちと一緒にハワイでのプレーを楽しんだ。中居は自身のラジオ番組でこんな思い出話を。
「2日連続でゴルフに行っていたからね。プールも行って。俺とパパは、2人部屋だったかな。それで、酒もちょこちょこ飲むのよ。飲んじゃいけねぇなんつっていて」
中居は多忙なスケジュールの合間を縫って、父を見舞い励まし、最後の日々を大切に共有していたのだ。中居は子どものころから父親とよく遊んでいた。
「毎週日曜日は、野球、サッカー、バレーボール、水泳などのスポーツを一緒にやっていたそうです。お父さんに買ってもらった野球グローブは、ボロボロになるまで大切に使っていましたよ」(地元の知人)
そんな父に、8歳だった中居少年は好物のアワビをプレゼントしたことがある。
《小学生がアワビを買う姿って想像するとすごいでしょ(笑)。あと、お父さんはお金がないからいつも同じタバコを買っているんだろうと思い、いつもより20円高いタバコのセットをプレゼントしたことも。今考えたら好みの銘柄じゃなく困ったと思うけど大事に吸ってくれたなぁ(苦笑)》(『ポポロ』’08 年9月号)
しかし、中学に入ると“反抗期”が訪れる。
「リーゼントや眉毛にソリを入れたり格好は不良そのもの。でも、お父さんは一過性のものだからと、何も言わず放っておいたそうです。人様に迷惑をかけず責任を自分でとれるのであれば、好きなことは何でもやればいいと」(前出・知人)
“やりたければやれ、ただし、人に迷惑をかけるな”。そんな父の考え方は、中居の仕事ぶりにも生かされているようだ。
‘12 年の『ロンドンオリンピック』(TBS系)で中居がメーンキャスターを務めていたとき、
「レギュラー番組の収録が押して、五輪番組の本番直前にスタジオに入ったことがありました。でも、1分ほど台本に目を通しただけで番組進行を完璧にこなしたんです。彼は弱音を吐いたりしません。引き受けた仕事は必ずこなすのが、中居クンの素晴らしいところです」(テレビ局関係者)