新年、世間に衝撃を与えたSMAP解散報道。
「毎回言っていますけど、主役が最初に決まっていて、その人ができそうな役や話をはめ込んでいくから最近のドラマはつまらないんです。なので、もしSMAPが独立していたら、テレビ局・芸能事務所・広告代理店の3者でグルグル回ってつまらんドラマが作られる流れが変わっていくかも、と期待したんですが」
一連の騒動を残念がるのは、コラムニスト・今井舞さん。
「その最たるものが『家族ノカタチ』(TBS系)。40歳手前の香取慎吾をどうするか、ということから偏屈な独身こじらせ系にして、それだけじゃ足りないから相手役の上野樹里もこじらせ系に、話を展開させるため同じマンションの上下に住み、どっちも親が転がり込んでいて、心を閉ざした中学生も入れて、と水増しのためだけに要素が足されている。
この設定って誰もが『結婚できない男』を思い出しますけど、阿部寛が演じた40歳の偏屈男には、自分のこだわりのせいで巻き起こるおかしさとか悲哀、ポロッと出る皮肉があって、そういう人っているよねという共感があった。
でも、香取は神経質でキーキー怒っているだけで、設定もセリフも筋の運びもありきたりで共感できない。それより、あのときもこんな感じで怒っていたのかなとか、現場はさぞピリピリしているんだろうな、とか、余計なことばかり考えちゃいますよ(笑い)」
一方、『スペシャリスト』(テレビ朝日系)に主演中なのが草なぎ剛。
「冤罪で刑務所に入って10年、その間にありとあらゆる犯罪を記憶したスペシャリスト……そういう体でいくからよろしくね、と最初に設定ありきの話だから、香取ほど気にせず見られますね(笑い)。
しかもテレ朝らしい一定のクオリティーやテンポはキープし、ほかのサスペンスよりはよくできていましたし。『相棒』のようなシリーズを作ることがテレ朝の今の課題でしょうから、スペシャルが好評だったこの作品を連ドラに格上げして、週1で刑事ものを見たい人向けにシリーズ化したいはず。
視聴率は好調ですが、主人公が草なぎじゃなくてもイケる話だと思いますけど(笑い)」