'94年に幼馴染みの有吉弘行と『猿岩石』を結成した森脇和成。'96年に『進め!電波少年』(日テレ系)のヒッチハイク企画で大ブレイクしたものの、'04年にコンビを解散し、芸能界を引退。その後は水商売の経営や、卸売業者で営業などサラリーマン生活。また、その間に結婚して一児の父に。そして離婚も経験。そんななか、'15年の10月に放送されたバラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』(日テレ系)への出演を皮切りに芸能界復帰を果たした。それから約3か月、いまの心境について本人インタビューを行った。
——芸能界に復帰して、約3か月が経ちます。どういった心境ですか?
「不安だらけですよね。やっぱり厳しい世界ですので、生き残れるかどうかというのは常に不安です。出戻りですし。出戻りって一般社会でも最初は居づらいものじゃないですか。
東京キー局のゴールデン帯の番組とかは今の僕にとっては、まぶしすぎるんですよ。まだ目も開けられないくらいです(笑い)。11年も芸能界を休んでいましたからね。本音を言えば、体質は“一般人”みたいになっています」
——実際に収録をしてみて、立ち位置に戸惑うことはありますか?
「自分が立っているところは、いわゆるバラエティ枠だと思います。でも、コントとか漫才をやるような芸人さんではないです。ショーレースにも出ませんし、そもそも出られないだろうし。
芸人とサラリーマンをそれぞれ10年ほど経験して復帰する人もなかなかいないと思います(笑い)。でも、その分“一般人”寄りのコメントを喋ることはできると思いますよ」
——芸人とサラリーマンをそれぞれしっかりやった人って他にいないですよね。
「“普通の感覚”を持った人が、芸能人のなかにひとりぐらいいても良いんじゃないかなぁと思うわけですよね。サラリーマン時代のスキルを何かに直接活かすというのは難しいと思いますが、あのときの経験が、滲み出てくれたら良いなぁと思っているんです」
——とは言っても、普通のサラリーマンとは金銭感覚も違うんじゃないですか?
「自分の場合はブレイクしていた時に、お金を持っていた時期もあります。でも、その時はそんなに楽しくなかったです。稼いだ次の年の税金だって多くのしかかってきますし(笑い)。それに、いっぱいお金を持って死んでも意味がないじゃないですか。
貧乏にはなりたくないですけど、大金持ちにならなくていいですよね。めんどくさいだけですよ。毎日、ゲラゲラ笑っていられるならいいですけど、あそこまで到達するには裏切りがあったり、毎日ドキドキするし、ずっと攻め続けなければいけない。多少のお金で毎日ニコニコしていたほうが、自分に合っていると思います」
——本当に幅広い経験をされていますね。
「僕は飲食業もやっていましたし、それこそヒッチハイクで世界中を旅した経験もあります。だから、“ダメだったらダメでまた何かできる”と思える強みはありますよ。結婚して、子どもがいたころは守るものがありましたし、プレッシャーがかかって、精神的にも大変だった時期もありましたけど、いまは独り身です。リスクがあっても、いろいろなことに挑戦していけると思います」
——この1年の目標は?
「ありがたいことに、これからもバラエティ番組への出演機会が増えてくると思います(*)。そちらをしっかりやりながらも、最終的にはお芝居をやっていきたいです。
実は、過去にお笑いをやっているときも、トーク番組よりも、コントをやっているときのほうがしっくりきていました。どちらかと言うと台本を読み込んで作り込んでいくほうが自分に合っているのかなぁ、という感じですかね」
——芸能界復帰にあたって何を成し遂げたいですか?
「最終的にはコメディの舞台とかを自分で作ってやりたいです。何年後になるのかはわかりませんが、コント寄りの舞台をやりたいですね。そのためにもまずはメディアへの露出、見てもらわないといけないわけですからね!」
*芸能界復帰後は、さまざまな番組に出演中。1月23日お昼11:55分から放送のトーク番組『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』(読売テレビ・毎週土曜日放送)に登場予定。はたしてどんな喋りを見せるのか!