1月下旬の夜、東京・世田谷区の住宅街にある居酒屋『Y』にいた記者の耳に、隣の個室から熱を帯びた声が聞こえてきた。
「俺はこれまで誰かに敷かれたレールに乗ったという覚えはないから! 俺は俺のまま生きてきた結果、これからも俺は俺でやっていくつもり!」
誰かと思ったら、小栗旬。所属事務所のスタッフ相手にボルテージはMAXだ。
「ドーンと売れ出したころから、みんなが気を遣うようになっちゃった。いつから俺はこんなに偉くなったんだろう? 誰が上とかないじゃん。全員でやってきたわけだから!」
ハイテンションだったのは、1月23日に公開された映画『信長協奏曲』が絶好調だからかも。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を蹴落として1位となり、すでに20億円以上の興行収入をあげている。
今年はSF大作映画『テラフォーマーズ』の公開も控えておりノリにノッているだけに、新しい仕事への意欲が全開だ。小説家の金城一紀氏と次回作のドラマで新しいアクションを取り入れる相談をしたことを話した後、話題は俳優仲間のことに。
「俺と山田孝之、俺と綾野剛より、孝之と剛のほうが仲がいいと思う。剛に関して言えば、これ以上仲よくなろうと思っていないところがある。昨日、剛の誕生日会があったけど、俺は誘われないんすよ。だから、それが面白い。今日、金子ノブアキくんに“旬、昨日何していたの? 剛の誕生日会になんで来なかったの?”って聞かれて、“俺誘われてねーからだよ”って、そういう感じ」
決して関係がギクシャクしているわけではなく、仕事のパートナーだから適度な距離を保ちたいという考えなのだ。微妙な感覚を説明するためにたとえに出したのが、いま渦中にあるあのグループ。
「俺、ジャニーズでいったらSMAPみたいな感覚だから。てか俺、SMAPに入れるかな(笑い)」
SMAPとはドラマや映画で共演したことはないが、ジャニーズにも友達がいる。
「キスマイの藤ヶ谷とか僕の舎弟ですから(笑い)」
そう冗談ぽく言った後に、衝撃的な発言が飛び出した。
「俺がホントにいちばん仕事したくないのは松本潤」
松本潤とは親友といわれているが、実は、これも彼なりの友情の示し方。
「アイツとは、あまりに仲がよすぎるから。(生田)斗真とも仲よすぎる。この2人とは、兄弟って思うほどのレベルで付き合っているからね。潤は、本当は俳優をやりたいって思っているやつなんですよ。もし仕事になったらやりにくいなって思う反面、彼が本気で俳優をやりたいって言ったときにはアイツの側にいてやりたい」