視聴率20%超を維持している絶好調の朝ドラ。DVDが爆発的に売れまくっているディズニー映画。そしてジワジワと感動する人が続出中のジブリ新作。この大ヒット中の3作品にはひとつの共通点がある。それは、女同士の友情や関係性をストーリーの大部分に盛り込んでいること。いわば、“女の子の世界”がいま、ウケている。
「今は女性アイドルの世界でも、AKB48をはじめ、女性同士が楽しそうにしている光景がウケていますよね。『花子とアン』がヒットしているのも、そのあたりに理由があると思うんです」
と語るのは『女子校育ち』(筑摩書房)という著書もある漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さん。中高一貫の女子校で少女期を過ごした経験から今回の朝ドラは女性が女性に憧れる“百合(?)的なもの”が感じられると指摘する。
「女学校に蓮子(仲間由紀恵)が編入してきて花子(吉高由里子)と仲よくなり始めたことで、入学時からの友人だった醍醐(高梨臨)が嫉妬してモメましたよね。女子校では友達を擬似恋愛的な感じで取り合うことがよくあるんです。男子がいないぶん友達を“恋愛の代用”として見るのかと」
なめ子さんにも憧れの先輩がいたという思い出が。
「すごい美人で友達になりたかった人がいたんです。それでテディベアを作ってあげたんですけど、“ありがとう”と微妙な表情で言われただけで冷たくて。トラウマとして残っています。『花子とアン』でも花子は蓮子の奔放で魔性なところにずっと振り回されている。こういう“SとMの関係”って小学生くらいから女子にはある気がするんです」