結婚にまつわる価値観も、県民性が育むことが多い。それが特に色濃く出ているのが、沖縄県だ。

 結婚期間が妊娠期間より短い出産、いわゆるデキ婚は断トツの1位。また、20~24歳、25~29歳、30~34歳、35~39歳の4つに区切った年齢別の出産率も、25~29歳を除くすべての年齢でトップ。県民性研究の第一人者の矢野新一さんによれば、“家事メン”や“イクメン”も多いそうだけど、

「その反面、離婚率もナンバーワン。時間やルールなどの細かいことを気にしない楽観的な部分が、“頭で考える前に行動する”ことにつながっているのでしょう。本来は“努力をしていれば”という枕詞がついていた“なんくるないさ(なんとかなるさ)”精神も、今は昔。ただ感情や状況に流されるままになっているのがランキングの背景です」(矢野さん、以下同)

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 同じく離婚率で2位にランクインしたのは北海道。南北の両端がワンツーフィニッシュを決めた格好だけど、その県民性は大きく異なると矢野さん。

「北海道は開拓期を経ているため、男性も女性も等しく働き者で、男前な女子が多い。1人でもたくましく生きていけるので辛抱せず、離婚することをいとわないのです」

 一方、離婚率が全国で最も低いのは新潟県。“杉の木と男の子は育たない”という言葉があるらしく、

「この言葉が県民性を物語ります。1年じゅう吹きすさぶ強い風や、水はけの悪い土のせいで木が育ちません。水害や雪害、地震などの天災も昔から多い。そのため、家族間の結びつきが強いのです。

 また、“男の子が育たない”という言葉は、“女性がしっかり者で世話上手”という意味。男性はお坊ちゃま気質でガンコに育ってしまうと言われています。これは、お母さんだけでなく、女の子はきょうだいの世話をするという新潟の古くからの風習のため。このようにしつけられた新潟女性はガマン強く、夫婦間に亀裂が生じにくいので、離婚率が低いのです」

【お話を伺った人】

矢野新一さん・・・(株)ナンバーワン戦略研究所所長。県民性研究の第一人者で本を多数執筆している。スマホアプリ『ズバッと! 県民性』の監修も務めている。