sanoken929

 ついに東京五輪のエンブレム取り下げにまで発展した佐野研二郎氏の“盗作”騒動。とはいえ、日本“「学ぶ=まねる”と言われてきたお国柄。また、ものまね番組は大人気。そこでパクリとものまねの線引きについて街の人の声を聞いた。

 インターネットが普及したことで、誰でもカンタンに盗用ができてしまう時代。

「便利になりすぎたがゆえに、人様の文章を剽窃(ひょうせつ)する、作品を転用するといったことに対する罪悪感や倫理観が希薄になっていると思う。プライドがないようなやつらはモノを作るな!」(50代・男性)

「パクリといっても、パロディーやオマージュなどに分類されるものもある。私は元ネタを隠すような後ろめたい気持ちが見えるものを“パクリ”と判断し、元ネタを開示して“一緒に楽しみましょう!”という気持ちがあるものをパロディーと判断している。後者のほうが気持ちはいいですよね」(40代・女性)

「トリビュートソングやカバーアルバムなど、オリジナルに対するリスペクトが感じられるものは不快な気持ちに一切ならない。“まねをさせていただく”という姿勢が問われるのでは?」(50代・女性)

 悪意があるかないか。意図的に行為に及んだのだとしたら、世間からバッシングを受けてもしかたがない。

「ディズニーキャラクターやドラえもんとおぼしき怪しいキャラクターが闊歩する中国の石景山遊楽園のような領域までいけば、むしろ清々しく感じます(笑い)。まねをする以上は、とことんやってほしいですね」(30代・男性)

「何でもかんでも起源を自国発祥にしてしまう韓国を見ていると、何かをまねる以上は神経の図太さが求められるのかなって思う」(40代・女性)

「音楽にしろ芸術にしろ文化が成熟すれば、似たような作品が出てくるのはしかたないと思う。作り手が模倣しやすくなっただけでなく、便利になったことで私たち受け手も粗探しがしやすくなっている。作品に対して“純粋に楽しむ”意識が貧しくなっている気がする」(30代・女性)

 リンゴをモチーフにしたアップル社のマークも、ザ・ビートルズによって設立されたアップル・コアによって「似ている」という理由から訴えられた過去を持つ。

 ありふれたものや既存のものを扱う以上、“かぶる”ことは当然あるわけで、「パクる」「かぶる」を一緒くたにしてしまう風潮は考えものだ。

「すぐに他人の一発ギャグをパクってしまうザキヤマさんは、営業妨害以外の何ものでもないんだろうけど、なぜか憎めない(笑い)。しかも、元ネタの芸人がワイプ(テレビ画面の隅に表示される小窓)で紹介されるため相乗効果につながっている! 誰も傷つけないのであれば、パクリ上等!」(30代・女性)