“断捨離”“こんまり”と片づけブームが続く中、今、注目を集めるのが、モノを持たずに暮らす人=ミニマリスト。そこで、モノを減らして、「気持ちが穏やかになった!」「家事の手間が減った!」「お金が貯まった!」というミニマリスト主婦のメソッドを大公開。

いつも“プリプリ”していた私が毎日ご機嫌さんに大変化!

 仕事も遅いし要領も悪いし、自分は本当にダメな人間だと感じていた。だが、ミニマリストという生き方に出会ったことで、「いつもご機嫌で楽しく生きられるようになった」と語るのは、滋賀在住のブロガー、阪口ゆうこさん。

「それまでの私はいつもイライラしていました。自分に対しても人に対しても否定的。常に“頑張らなきゃ”と肩ひじを張って、仕事で人に何かを教えるときも“ちゃんとしないと”といつもプリプリ。失敗したくないって気持ちでいっぱいだったんです」

 毎日、張りつめた気持ちで生きる阪口さんに転機が訪れたのは、娘の入院がきっかけだった。

「娘の付き添い時間に、本でも読もうと何気なく手に取った『ライフオーガナイズ』(主婦と生活社刊)が人生を変えました。この本を読んで、私が今までうまくいかなかったのは要領が悪かったからではなく、やり方が悪かったんだって気づかされたんです」

 不得意だと思い込んでいたことがそうではなかったと気づいた阪口さんは、生き方すら考え直すように。

「“好きなことをやる”ではなく、“嫌いをやめてみる”という考え方にしたんです」

 ここからの阪口さんは、ドラマチックというほどに性格も生活も自らの力でポジティブに変えていった。

 ミニマリストとして生きる阪口さんは“テーマ”を大事にしている。生活のテーマは“1日の最後に飲むビールがおいしいかどうか”。

 子どもとのトラブルが起こったときも、おいしいビールを飲むために不必要なぶつかり合いを避けることができるようになったのだとか。夫がたとえ休日の朝からビールを飲んでいても、「飲んどき~」と言えるようになった。

「自らにゆとりが生まれる工夫をしたことで、相手にも無理強いしなくなって、家庭円満を維持できていると思っています」

ミニマリストなのに友達も多いし、お酒も好き

 さらに、生活だけではなく、家にもテーマがある。人間関係もミニマムにするというミニマリストも多いが、

「私にとっていちばん大事なのは友達。周りの人たちに助けられてここまで来たし、人生を楽しくしてくれる。友達がいなかったら、さみしい人生になるから、ちゃんと食器も用意してみんなが来る家にしたかったんです」

 家も人生もそれぞれのテーマを基軸にすることで、ムダが明確に見えてきた、と阪口さん。

「家の中も自分の中身も、必要のないものを取り除いてミニマムにしていくと、自分の人生を気に入るようになりました。ミニマリストなのに友達も多いし、お酒も好きなので、あまりお金は貯まりませんが(笑い)、気持ちは充実しています」

食材の買い物は1週間に1度。余ったお金で自分にご褒美

【写真】金曜日に一気に約20分で考える1週間分のメニュー。子どもと夫から1品ずつリクエストをもらい、軸にする。
【写真】金曜日に一気に約20分で考える1週間分のメニュー。子どもと夫から1品ずつリクエストをもらい、軸にする。

 友達との交際費は増えたが、食費のムダはほとんどなくなっている。

「私は1週間に1度だけ買い物に行きます。そのときに全部のメニューを決めるんです。例えば子どもたちがハンバーグを食べたいと言えば、“ニンジン、玉ねぎに合いびき肉か。じゃあ合いびき肉を多めに買って麻婆豆腐の日を作ろう”“豆腐も残ったら味噌汁にして、その日は鮭を焼こう”という具合にメニューを書き出します。

 食材を1週間で使い切り、1週間後には冷蔵庫はすっからかん。ここで冷蔵庫をサッと掃除できるときの高揚感は、ヤバイですよ(笑い)」

 食費をしっかりと切り詰めているように見えるが、阪口さんにはひそかな楽しみがある。

「メニューを書き出すときにだいたいの金額も書くんです。そのとき多めに見積もっておくので数百円、余ります。それが私のご褒美に♪ アイスクリームを買ったり、余りの多い日には贅沢にランチしてみたり。小銭を貯めることができれば貯金も増えるかもしれませんが、私は無理。無理はしません」

〈プロフィール〉
阪口ゆうこさん(33)主婦・コラムニスト、結婚11年目。子ども2人(10歳・8歳)
ブログ『HOME』
http://ameblo.jp/refresherssakaguchi/