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 昨年12月11日にオープンした千葉県安房郡鋸南町の『道の駅保田小学校』。その名のとおり、ここはもともと正真正銘の小学校。

 創立から126年、小学校としての役目を終えた鋸南町保田小学校が、その長い歴史に幕を閉じ、道の駅となって新たに“開校”した。

 体育館は地元の新鮮な野菜やお土産を取りそろえた直売所、教室は宿泊施設やレストラン、音楽室はイベントなど多目的に利用できるスペースにリノベーション。教室のイスや机、黒板や平均台、靴箱など、ところどころに散りばめられた“懐かしアイテム”には郷愁をかき立てられる。

「友達にすすめられて来ました。なんだか懐かしくて、ワクワクします」(来場者)

 小学校の雰囲気をあえて残したユニークなつくりが話題を呼び、県内外から多くの人が訪れている。

 現在、少子化による児童生徒数の減少や市町村合併の影響により、多くの学校が廃校になっている。調査によると、公立学校の廃校発生数は平成25年度には1年間で約482校。

 ここ鋸南町も年々、人口減少にあり、少子化ということもあって保田小学校は2014年に同じ町内の勝山小学校と統合した。生徒たちは旧勝山小の校舎へ通うこととなり、保田小は交流拠点として新たに活用されることに。

「鋸南町の新たな魅力を全国にアピールしていきたい」と話すのは“校長先生”こと施設駅長の大塚克也さん。インターチェンジからすぐそばというアクセスのよさを生かし、県内はもちろん、県外から来訪する人たちも温かくもてなす。

「直売所には毎日、地元の農家から農産物が届けられます。食事処では特産品を使った“おふくろの味”が楽しめ、中には地元でも有名な銘店も! また、ここには宿泊所も。夕日のキレイさや星の近さ、朝焼けの美しさなど泊まってみないとわからない魅力もたくさん。ぜひ、宿泊してその魅力を実感してもらいたいです」

撮影/吉岡竜紀