パソコンやスマートフォンで手軽にネット地図を検索できる便利な時代だが、なんとあの国民的アイドルの実家がネット地図に載っているという。
「あの~、SMAPの木村拓哉さんのことなんですけど。ググって(検索して)たら木村さんの実家っていう住所が出てきちゃったんですけど……。○県○市の住所で枝番まで。でも、プロフィールは東京都になっているみたいだし、コレってホンモノですか?」
編集部にこんな電話がかかってきたのは、つい先日のこと。真偽はともかく、多様な情報が飛び交うネットでは、『木村拓哉の家』なるモノは全国各地にいくつも“存在”する。
しかし、ほとんどがウワサや都市伝説の類ばかり。とくに天下の木村拓哉ともなれば、その手の話はごまんと湧いているのだ。今度は実家か。そんな問い合わせに正直、またかと思う。
「ググってみてください」
教えられた検索方法はいたってシンプル。『木村拓哉 実家』を“ググる”だけ。
すると検索結果情報とともに、パソコン画面右側には『Googleマップ』による、とある住所が表記された。さらにその住所に立っているであろう『ストリートビュー』による一軒家の画像も。
“ググる”のネット用語を生んだ大手検索サイト『Google』。サービスのひとつ『マップ』では近年、検索した住所の画像を見ることができるストリートビューも登場。
自宅や出先から実際に行きたい、見たい住所を実際の画像で確認することができる。マップには、お店や企業、学校や病院など公的な建物名などは検索結果に反映されて、マップ上でポイントカーソルとともに住所表記される。 しかし、会社などに使用しているのならともかく、一見ただの民家に思える家がピンポイントで表記されているのは見たことがない。
ところが、たしかにマップ上には『木村拓哉 実家』が表記されているのである。しかも画像の一軒家は、記者も幾度となく取材で通った、まさしく本物の木村の実家だった。
そして○県○市○−○-○も正確な住所。ナント、本当に『木村拓哉の実家』がGoogleで“公式”に紹介されていたのだ。
'95年に建てられた木村の実家。土地建物合わせて約8000万円とも言われた豪邸は権利の半分を木村、4分の1ずつを彼の両親が所有。
前年に『Hey Heyおおきに毎度あり』が初のシングルオリコンチャート1位を獲得、翌年に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)放送を控えた、SMAP人気に火がついたころだ。両親へのプレゼントでもあったのだろう。そして愛犬ボニータもこの家で老齢期を過ごした、思い出の豪邸。そんな家がナゼ?
「Googleマップには、事前登録が必要だったと思うんですけど、一般の人が建物に“ここは○○ですよ”など、情報を書き込む機能があったんです。それが昨年、マップ上のまったく関係のない場所に、“ここは○○の建物だ”と表記を改ざんするイタズラが流行ってしまった。
その事件が起きる前に“木村さんの実家がここだ”と、誰かが書き込んで(Googleでは『追記』という)いて、それが知られないまま残っていたのでしょう」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏)