s-matsumoto0420

 4月クールで断トツの視聴率を叩き出しているTBS系ドラマ『99.9―刑事専門弁護士―』。第2話は視聴率19%超えを記録し、主演を務める嵐・松本潤にとって渾身の代表作になりそうだ。

 TBS系『日曜劇場』は、『半沢直樹』や『天皇の料理番』、『下町ロケット』など高視聴率を記録した“骨太”ドラマを生み出してきた枠である。しかし1月クールでは、ジャニーズの先輩・SMAPの香取慎吾が主演する『家族ノカタチ』が平均9%を切る思わぬ苦戦。それだけに松本が背負うものは大きかった。

「そもそもこの数年間、ジャニーズ主演のドラマは結果が出ていませんでした。平均視聴率20%を超えたのは'14年に放送されたキムタクの『HERO』(フジ系)のみで、それ以外で15%を超えたのも同じくキムタクの『PRICELESS』('12年10月フジ系)までさかのぼります。国民的アイドルと言われる嵐でさえ、ことドラマに関しては苦戦している現状。松潤もいわば“背水”で臨んだドラマなんです」(テレビ誌記者)

 '01年には、いまや“ジャニーズ俳優の登竜門”とも言われる『金田一少年の事件簿』(日テレ系)で連続ドラマ初主演、翌'02年には仲間由紀恵の『ごくせん』(日テレ系)で広く知られる存在となった松本潤。そして、大ブレイクのきっかけとなったのが'05年の『花より男子』(TBS系)だ。

「『anan』でも特集が組まれるようになり、“ポストキムタク”の最右翼となりました。ですが『花男』はあくまで井上真央さんの主演。松潤としては早く、自身の代表作が欲しかったところでしょう」(前出・テレビ誌記者)

 ところが以降、毎年のようにドラマで主演するも、平均視聴率15%を超えることはできなかった。嵐が大人気グループに成長した後、'12年1月の『ラッキーセブン』(フジ系)で15.6%を記録し、ようやくその壁を超えるも、

「当時は平均視聴率25.2%の『家政婦のミタ』(日テレ系)が放送された直後だったため、松嶋菜々子さんの話題が先行してしまいました。そして'14年の『失恋ショコラティエ』(フジ系)では月9ながら、12%台と満足のいく数字は出せなかった。いまだ松潤といえば『花男』で止まったままなんですよ」(前出・テレビ誌記者)

 岡田准一や生田斗真、そして同僚の二宮和也など、同年代のジャニーズ俳優が実力をつけていく中でもがいていた松本。そんな彼に今回、任せられたのが、初挑戦の弁護士ドラマだったというワケだ。

「警察や医師、弁護士といった専門職ドラマはファンが多く一定の視聴率が見込めます。また謎が盛り込まれ、次第に真実が明らかになる推理要素。そして松潤が演じているのが、自ら現場を“捜査”してトコトン真実を追求する型破りな弁護士。立場は違えども検察官役を演じたキムタクの『HERO』(フジ系)と似ていますね」(テレビ局関係者)

 主人公に振り回される女性“助手”役には榮倉奈々がキャスティングされ、香川照之や岸部一徳ら脇を固める実力派俳優たち。たしかに『HERO』の松たか子らと通じるものがある。それゆえかネットを中心に“パクリ”との声もあがっている。

「ただ、この“スタイル”は『HERO』以降、いわばヒットの“定番”となっています。例えば、福山雅治と柴咲コウの『ガリレオ』(フジ系)、中居正広と栗山千明の『ATARU』(TBS系)、堺雅人と新垣結衣の『リーガルハイ』(フジ系)など、型破りな主人公が真実を明らかにするストーリー。そして基本的に1話完結というのも、途中から見始めた視聴者を取り込むのに都合よく、いわば大コケすることはない。似通うのも仕方がないかと(苦笑)」(前出・テレビ局関係者)

 一方でこんな指摘も。

「第1話で事件解明の“カギ”になった、照明によって色彩を錯覚するトリックは'07年の映画『HERO』で使われたものと同じ原理。まあ古典的なトリックですし、偶然かぶったものとは思いますが……」(映画ライター)