舛添氏が宿泊した「竜宮城スパホテル三日月」

 血税を含む政治資金で家族旅行をしていた疑惑などが報じられた東京都の舛添要一知事(67)は13日、都庁の定例会見で2時間近くにわたって釈明した。都知事として高額の海外出張費や公用車での別荘通いに批判が集まる中、国会議員時代の収支報告書の虚偽記載が疑われている。

「多くの都民がウソくさい言い訳だと思ったはず。正月に温泉旅行に出かけているときにかぎって、どうして重要な政治決断を迫られるのか。それほど大事な局面ならば、家族に事情を話して温泉を延期すればいいじゃないですか。ゆったり、のんびりしている場合じゃないでしょう」

 そう憤慨するのは、ジャーナリストの大谷昭宏氏。

 説明によると、2013年と'14年の正月の家族旅行中、宿泊先の部屋に事務所関係者らを呼びつけ、参院選や都知事選出馬などについて秘密会議を開いたため、政治資金から「会議費」として支出したという。2年連続で家族4人の旅行代金を政治資金から出したことを認めながら、あくまで“シロ”を主張した。

「ただ、会議に使用したとはいえ、家族と宿泊していた部屋を利用したことから、ご懸念を招き反省している。今後は別に会議用の部屋を借りるようにしたい」

 舛添氏は、そう部分的に謝罪。収支報告書を訂正し、該当費用約37万円をなるべく早く返金する考えを明かした。

 子どもとの約束を守って家族旅行をしつつ、政治家として開いた秘密会議は「1時間か2時間」程度という。

「(参院選や都知事選に出馬するかどうかで)マスコミのみなさんに追われていたんですよ。立候補するかはものすごい大きな決断になります。そういう決定は、会議を10時間やらなくても、3時間であってもきわめて重要です」(舛添氏)

 会議に参加した顔ぶれについては、「政治的な機微にかかわり、相手のプライバシーもあるので明かせない」と説明を拒んだ。人数も明かせないという。

 舛添氏の政治団体『グローバルネットワーク研究会』(都知事に就任した2年前に解散)の政治資金収支報告書によると、千葉・木更津市の『龍宮城スパホテル三日月』で'13年1月3日に23万7755円を会議費として支出している。

 翌'14年の1月2日には13万3345円をやはり会議費として支出しており、これを突き止めた週刊文春が報じて大騒ぎになった。

 同ホテルには1人あたり540円で会議プランがある。

 '13年に支出した約24万円から逆算すると、440人規模の会議が開かれていることになる。同誌はホテル関係者に取材し、「2回とも会議は開かれていません」とする証言を掲載している。

 同ホテルのフロントで事実関係を確認した。

「マスコミからたくさん問い合わせをいただいていますが、お客さまのことは何も話せません」(従業員)  報

 道後、舛添知事サイドから連絡や圧力があったかと尋ねても、「何もお答えできません」(同)の一点張りだった。