モンズースーさんは、長男出産後にADHDと診断を受けた30代前半の主婦。発達障害の「グレーゾーン」である2人の息子たちとの日々をつづったブログが大人気に。

 モンズースーさんがADHDとの診断を受けたきっかけは、長男が1歳半検診で言葉や運動面での発達の遅れを指摘されたこと。何冊か発達障害についての本を読むうち、“自分のことが書いてある”と感じ、病院へ行ったという。

「私はとにかく忘れっぽい。メモしなさいといわれても、まず手帳を忘れる。メモをしても確認を忘れる。結局メモをなくす(笑)。忘れないよう注意するための行為まで忘れてしまい、どうすればいいかわからなかった」

 と明かす。学校ではノートをとるのが苦手で漢字も書けず、そのことが気になって、かえって授業そのものが聞けなくなった。「できない」というより、「うまくいかないからやりたくない」という気持ちで勉強が嫌いになり、高校を中退。

 仕事ではケアレスミスがとても多く、信頼をなくして辞めることもあり、アルバイトや派遣先を転々とした。

「感情を抑えられない、パニックを起こすといったことも多く、とくに反抗期のイライラはひどかった。でも大人になるにつれイライラの原因を作らないとか、なるべく心が落ち着くように事前に状況を広く想定しておく、といった対策を身につけました」

 モンズースーさんはADHDの診断を受けて気が重くなった一方、初めて自分の“カテゴリー”がわかってうれしくもあったとか。

「こんなに変な人間は自分だけと思っていたのに、同じような人がたくさんいる。ADHDについて調べると、自分に対する新たな発見があっておもしろいです」

 長男は現在、特別支援学校の幼稚部に通いモンズースーさんも同伴している。発達障害の診断はまだ“グレーゾーン”のままだが、感慨深げにこう話す。

「以前は自分の思いを私以外の人に伝えることができず、よく癇癪を起こしていましたが、いまでは先生や友達とのやりとりが増えて、だいぶ様子が変わりました。私の時代もこうした支援があれば、トラブルを回避できてよかったかも」

 マンガを描くのが好きというモンズースーさんは、ADHDと診断され新たな自分像と向き合ったのを機に、コミックエッセイ風のブログをスタート。

 自分たち親子の日常や困り事などをわかりやすい文章とかわいい絵で紹介しており、このたび初の著書を出版。“わが家も子どもが1歳半検診で引っかかったばかり。この本が私の指標です”など読者からのレビューには感謝の言葉も並んでいた。