【番外編】お中元&お歳暮、東西で時期が違う

 お中元は、関東が7月初旬~15日、関西は7月下旬~8月15日に贈ることが多い。

「お中元は、“お盆の供物を差し上げる”ことに由来しています。もともとお盆は旧暦の7月15日でした。しかし、暦が(旧暦から新暦に)変わったときに、月遅れの8月15日が一般的になりました(8月盆)。ただ、昔ながらの7月15日という日付を守っている地域もあります(7月盆)。東京や横浜のような都市部です。函館もそうですね。

 都市部には、地方から来ている人が多くいて、必ず盆と正月には帰省していました。だから、地方とはズレていたほうが都合がよかったんです。お盆の時期が違うことに伴い、お中元の時期も異なっているんです」

 お歳暮は、関東は12月上旬から、関西は12月中旬から贈り始める人が多い。

「お歳暮は“お正月の供物を差し上げる”という考え方に由来しています。“正月事始め”といって、すす払いをして正月を迎える準備を始める日が12月13日。だから、この日以降にお持ちするのが本来のお歳暮です。関西にはこの考え方が残っているので、12月中旬から。厳密な家では12月13日以降です。

 そういう意味では、関東はフライングになりますね。現在は、お歳暮を“1年間の感謝のしるし”と考えるようになっているので、“12月に入ったらお贈りしよう”が関東なんですね」

【名古屋編】派手さでいったらやっぱり…!

名古屋で娘が3人いたら家が傾く」「嫁をもらうなら名古屋から」なんて言葉もあるくらい。結納品もド派手で、反物や酒樽が用意されることもあるという。

「紅白の帯で結んだ嫁入り道具を、トラックの荷台にパンパンに積み、見せびらかしながら走る“嫁入りトラック”は今でもあります」

 そのトラックは家具店から新居へは直接向かわず、まず新婦の家へ。そこで身内や近所の人を集めてお披露目の会を開き、“いい家具ね~”と褒めちぎってもらった後に、新居へと向かうそう。“出戻り”に通じるので、バックするのもNG。

 結婚式の当日は、新婦が家を出るときや披露宴で“これでもか!”とお菓子をまく“菓子まき”も。まかれた菓子の量が、結婚式の豪華さを表すんだとか。

「とはいえ最近は、昔ほど派手にやらなくなってきてはいるようです」