「UAEは誰でも受けられるものではない」
UAEとは子宮動脈塞栓(そくせん)術という術法。カテーテルという細い管を使う治療法で、筋腫への血流を止めることにより、筋腫を壊死させる方法。切開することがないので、傷痕がほとんど残らない。
西川「UAEは誰でも受けられるものではないんですよ。骨盤内に感染症があるか、子宮に悪性腫瘍がある場合。あと、ひと昔前までは妊娠を希望する人も適応しない、とされていましたね」
矢部「あ、そのお話、聞きました」
西川「まれに子宮動脈だけではなく、卵巣動脈も詰まってしまい、排卵できなくなってしまう可能性があるんです。あと筋腫だけではなく、正常な子宮への血流も弱くなってしまうと……」
矢部「私が手術を受けたのは専門のクリニックでしたけど、その説明は受けました。そういった危険もなくはないけど、低いですと」
西川「大学病院だと“危険性があります”と説明すると思います。ちょっとでも起こりうることは全部言いますから。患者さんに告げる内容は同じものなんですけど、ニュアンスが違うんですね」
矢部「危険がなくはない、ということは“ある”ということですからね(笑)」
西川「手術時間は1時間くらい?」
矢部「手術室には30〜40分いたと思いますけど、手術時間は11分でした。私は血流を塞ぐために、カテーテルにゼラチンを入れたんですけど、保険がききませんでした。化学物質を入れる方法だと保険適用になるんですけど」
西川「では、自費で?」
矢部「はい。手術自体が約50万円で、私の場合はリュープリン注射の影響でちょっと血管が細くなっていたから、細いカテーテルを使ったのでプラス6万円かかりましたけど。病院によってはもうちょっと高いところもあるみたいですね。地域や入院の有無にもよると思いますが」
西川「術後の体調はどうですか?」
矢部「おかげさまで痛みもなくて。ただ、麻酔の影響で吐き気はすごくて、2日間ほど食事がとれませんでした。手術から1か月が過ぎましたが、今は運動もできます」
西川「月経はきました?」
矢部「きました。もともと生理痛がひどかったのですが、以前に比べると楽になった気はします」