コラム:浜松城の歴代城主は要職につく者が多く「立身出世」する?
初代城主・家康だけでなく、歴代城主が幕府で老中や五奉行に昇格することも珍しくなかったことから、別名「出世城」ともいわれる浜松城。天保の改革を行った水野忠邦も第22代浜松城主だった背景を持つなど、老中5人、大坂城代2人、京都所司代2人、寺社奉行4人(兼任を含む)を25代の中から誕生させていることからも、出世城の異名はだてじゃない。そのため自ら進んで浜松城の城主になりたがる者も多かったといい、その名残は現在も「転勤するなら浜松支店」「浜松支店長になりたい」と願う人たちがいるほどだとか。
家康や井伊家によって浜松の地に起業家精神や立身出世の志が育まれてきたことは間違いなく、今に至るまで多くの有名民間企業がこの地に集結していることは偶然ではないんです。というのも、全国にある政令指定都市20のうち、大都市圏外で県庁所在地でもない場所は北九州と浜松のみ。八幡製鉄所など国営企業を構えていた北九州とは異なり、浜松は民間企業の成長のみで人口80万にまで膨れ上がった日本有数の街。また、都市と自然、産業と農業などいろいろな機能が備わる浜松は、国から「国土縮図型都市」と呼ばれているほどバランスがとれているんです。
家康が天下人となり、ホンダの創業者である本田宗一郎が希代の経営者となったのは、浜松という風土が作り上げた必然の結果かもしれない。
コラム:「おんな城主 直虎」で注目すべき○○ロスは!?
『真田丸』では、登場人物が亡くなるたびに昌幸ロスや秀次ロスといったロス現象が話題を呼んだけど、『おんな城主 直虎』でも視聴者の話題を集めそうなロス候補がたくさんあるんです。とりわけ許婚だった直親が誅殺されるシーンは女子の心をわし掴みにしそうだけど、もうひとつハンカチの準備が必要になるだろう出来事が、家康が妻と嫡男を同時に失う“築山殿と信康の悲劇”。
桶狭間の戦い後、家康は信長と清洲同盟を結び、築山殿との間に誕生した嫡男・信康を信長の娘・徳姫と婚約させる。信康は人望厚く、将来を嘱望されるほどの武将に成長していく一方で、徳姫は嫁ぎ先での暮らしに不満を抱くように。ある日、徳姫は父・信長にその内容を綴った12か条の訴状を送るのだが、その中には真偽の怪しい「築山殿が武田家と内通している」という内容まで含まれていたとか。
激高した信長によって、築山殿と信康の処刑を命じられた家康は同盟維持か否かで悩むが、苦慮の末に出した答えは築山殿の殺害と信康の切腹。家康もまたお家のために身を切る思いをして大出世を果たしていたんです。それだけに、未定の信康役にはいい役者を選んでほしいもの!