父親としての素顔
ドラマでは、それぞれに秘密を抱えた家族が描かれるが、自身の理想の家族像や家族の問題への対処法については、こう明かす。
「何事もなく健康に過ごせることだと思います。そこがいちばん大切なのに、そのことを忘れてしまいますよね。贅沢なことを考えたり、子どもが小さいときは、なるべくいい学校に行ってもらいたいとか、運動会ではビリにならず、1等になってほしいと思ったり。でも、ちょっと病気になったりしたら、この子が元気でいることがいちばんと思ったりしますからね。
(家族の問題は)話し合いしかないでしょうね。わが家では、妻も子どもも何かあったときには、そこから目をそむけないで話します。夫婦でも親子でも全部さらけだしている家族がいるかっていうと、たぶんないと思う。ただ、表に出てくるいろんな問題があったら、こまかく話し合って、お互いに納得していかないといけないと思っています」
父親として息子2人には、言い聞かせるでも、叱るでも、どちらのタイプでもないという。
「何かあったときに言ったりするのは、お母さん(妻)だったでしょうね。息子たちは特別にやんちゃでもなかったし。世間でいうところのいい子だったんです(笑)。兄弟ゲンカも数えるほど。小学校低学年のときに目の前でやっているのを見て、ケンカするんだと(笑)。反抗期もなかったので、逆に心配になったくらい。
間違ってしまわないかと思ったりもしましたけど、そういうこともなく、2人は芸能界に入っちゃいましたけどね。本人には言いませんけど、心配ですよ。でも、細々でも親の手を借りずに生活しているから、いいだろうと思っています」
夫婦2人きりの会話
子どもたちが巣立ったあとの夫婦2人きりの生活も教えてくれた。
「メニューを子どもに合わせるのではなく、夜の食事では1杯飲みながら、好きなバラエティー番組を見て、1時間、2時間かけて食べたりしています」
バラエティー好きというのはちょっと意外な印象も。
「昔からお笑い全般が好きで、録画しておいて見ます。R-1もM-1も見ています。2人で見ながら、どんなネタづくりをしているのかなとか、人気が出る芸人さんを予想したりして、会話しています。
ドラマは、妻が録画して見ています。妻評? 僕や息子が出ているものは見てくれていますが、とくに何も言わないです。僕が出ていないものには厳しいですよ(笑)。わかりやすい内容のドラマは、あまり好きじゃないみたいなので、今回の作品は、ごちゃごちゃしているし、好きかも。頑張らないといけないですね」
結婚して36年。仲のいい夫婦の穏やかな日々を垣間見せてくれたが、かつては芸能マスコミに追われ、苦痛と葛藤を強いられた。
「変わったのはマスコミですよ。すごくやさしくなったし。2人で映画館にも行きますが、気づかれません。もしわかっても騒ぐような方もいないし、みなさんやさしいです」