拒食症になる人の傾向とは

 なぜ拒食症の患者は、体力が落ちているのに元気に振る舞ってしまうのか。

「著しくやせているにもかかわらず活動性が高く元気なのは、自分で体重をコントロールできたという感覚がうれしくて精神的にはしゃいでいる状態です」(新谷医師)

 拒食症は非常にまじめで、物事に対して一生懸命になる10代から20代の女性に多い傾向がある病気だとも。

体重の著しい減少があり、食べることや体重が増えることに対して異常な恐怖心を持ってしまう疾患です。摂食障害はすべての精神疾患の中でいちばん死亡率が高く、死因は餓死などが多いですね」(新谷医師)

 新谷医師と同じく、拒食症を疑うのは、パークサイド日比谷クリニック院長で摂食障害が専門の立川秀樹さん。

拒食症による身体への影響」について聞いた。

生理不順になったり不妊が促進されたり、免疫力低下による感染症にかかりやすくなります。筋力も減少するので身体が疲れやすくなりますね。思考力も落ちるので判断能力が低下したり、抑うつ状態になることもあります

 拒食症における“死のリスク”についても説明する。

拒食症のいちばん怖いところは、嘔吐や下剤の使いすぎなどがある場合、電解質が乱れて脈も乱れること。不整脈による心臓発作が起きて突然死する可能性があります。若さには関係なく発症してしまう怖いものです」(立川医師)