元SMAPメンバーが出演したCM、または番組で食べた、飲んだ、買った、紹介した商品をファンがこぞって購入するという運動。安倍晋三首相の経済政策を称した“アベノミクス”から由来する、SMAPファンによる“スマノミクス”が、またも全国各地で発動している。
たとえば、中居正広が《あたらしくいこう》をキャッチにCM出演した缶チューハイ『キリン 氷結』。同商品が“バカ売れ”したことはすでに報じている通りだ。
最近では中居と香取慎吾が共演したことで話題になった4月22日放送の『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)でもスマノミクスが。『全国ご飯の友』という特集で紹介された12商品の中でも特に中居が「これ本当にうまい!」とバクバク食べていたのが、『くにを鮭キムチ』(250g税込み1080円)。
「反響はものすごいです。HP上からのご注文はおよそ1年待ち。お店は札幌から車で30分〜40分かかるんですが、毎日行列ができています。手作りなので数に限りがあるんですが、開店から7分で売り切れてしまいます」
そう話すのは店主の前田國男氏。もともと焼き肉店のメニューとして出していた一品を約10年前に商品化。以降、徐々に全国区となっていったというが、『スマステ』放送で一気に火がついた。
「本当に感謝しています。SMAPファンのお客さんは3か月でも半年でも黙って待ってくれて、しかも“頑張ってください”“お身体に気をつけてください”と励ましの言葉をかけてくださるんですよ。そういうやさしいところがありますね」(前田氏)
リピーターが多いという商品だけに、中居もまた食べたいと思っているかも?
「そうなっていただけるとありがたいですが、1年待ちですけどね(笑)」(前田氏)
またこの放送をまとめたフリーペーパー『SmaTIMES#679』は即日、配布終了。ネットオークションでは、2000円〜3000円の値段で取引されている。
そして4月26日放送のフジテレビ系特番『中居正広の神センス☆塩センス』でも、スマノミクスが発動。中居が「2日にいっぺんは食べる」というカップ麺特集で、「これはすごいね。うまい」と大絶賛したのが、日清食品の『カップヌードルリッチ贅沢とろみフカヒレスープ』(メーカー希望小売価格税抜き230円)だった。
すると翌日以降、各地のスーパーやコンビニでは同商品のみが陳列棚からぽっかりと姿を消したのだ。
「放送で商品をご紹介いただきましたあとに、ツイッターなどのSNSによる評判、またお客様からの“どちらで売っていますか?”とのお問い合わせも含めまして、好評なご意見をいただいております。放送による販売状況に関しましては把握しきれてはいないのですが、いい結果につながっているとは思います」(日清食品広報担当者)
日清食品といえば、中居を'04年から'15年まで10年以上もの間『どん兵衛』CMに起用していた企業だ。これを機に『カップヌードル』CMに抜擢なんてことも?
「今後のことに関しましては特に何も考えられていませんし、また(CM起用に関する)情報を事前にお伝えすることはございません」(同・広報担当者)
それにしてもファンが熱心になるスマノミクスは本当に経済に影響を与えているのだろうか。解体したSMAPファンクラブにはおよそ100万人の会員がいたとも言われており、例えば、全員がカップヌードルを1個購入したとすると、単純に売り上げは約2億3000万円にもなる。
エコノミストの森永卓郎氏にも聞いてみると、
「経済全体から見ますと、2億円というのは少ない数字なんですね。GDP(国内総生産)自体は500兆円くらいなので、10億円や20億円を超えても全体への影響はほとんどないんですよ。
ただ、この(スマノミクスによる)広告宣伝効果が継続していくのなら、(元メンバーたちに)次から次へとCMオファーが来ると思うので、それを全部合わせれば何百億円、うまくいくと1000億円を超えるような効果も出てくる。そうなると大きいですよね。
普通、解散すると人気はパタッと落ちがちですが、SMAPはそうならなかった。キムタクも映画をはじめとして引っ張りだこになっていますし、それだけファンを引きつける力があったということなんでしょうね」
全国各地で発動中のスマノミクス。これもSMAPの25年間がもたらした功績だ。