“日曜の朝は早起きして、子どもと一緒にテレビ朝日系列で戦隊モノと仮面ライダーを楽しむ”─小さい男の子がいる家庭では定番の風景だが、10月からは変わってしまう。
「7時30分から始まっていた『宇宙戦隊キュウレンジャー』が9時30分開始に、8時からだった『仮面ライダービルド』が9時からに変更されます。東山紀之さんの情報番組『サンデーLIVE!!』が始まるので、押し出された格好ですね」(テレビ誌ライター)
東山はキャスター初挑戦。5時50分から8時30分まで2時間40分の長尺で『シューイチ』(日本テレビ系)や、『サンデーモーニング』(TBS系)といった人気情報番組がしのぎを削る激戦区に挑む。その影響で子ども向け番組の放送時間が変更になり、大問題が発生した。
「仮面ライダーが移動する日曜朝9時はフジテレビ系列で『ドラゴンボール超』が始まる時間。
キュウレンジャーが移動する9時30分からは、やはりフジテレビ系列で『ワンピース』ですから、完全に時間がかぶってしまっているんですよ」(前出・テレビ誌ライター)
視聴者層が重なるうえに、ライダーも戦隊シリーズもフジの2本のアニメにも制作にはすべて東映系列の会社が大きく関わっている。制作元にとっても時間変更は大迷惑なはず。実際に東映内部からは不満の声が聞かれるという。
「ドラゴンボールと、ワンピースを制作する東映アニメーションは東映の連結子会社なのに、時間がバッティングするのはテレ朝の配慮がなさすぎるという不満の声が、社内からも出ています。さらには同時刻の番組に同スポンサーがバッティングしていることも問題になっているようです」(芸能プロ関係者)
各方面に迷惑がかかる時間変更だが、そこまでしてテレビ朝日は東山の番組を始めたいということなのだろうか。
「彼の番組が欲しいというより、事務所への気遣いでしょう。テレ朝には若手ジャニーズが毎週出演する『ミュージックステーション』やバラエティー番組がありますから。
ただ、安定した人気の『サンデーモーニング』や『シューイチ』に勝つのは大変です。知名度は高くても、東山さんに司会者のイメージはありませんからね」(前出・芸能プロ関係者)
ジャニーズとしては、東山をキャスターに据えることにこだわる理由がある。
「3年後の東京五輪に向けた動きです。パラリンピックの公式サポーターに決定していたSMAPメンバーが大活躍するはずでしたが、解散でかなわぬ夢に。大御所の東山さんで穴埋めしたいんです」(前出・芸能プロ関係者)
怒ってもおかしくない東映も、抵抗できない状況だ。
「映画の世界では東宝がひとり勝ち状態で、東映はすっかり差をつけられてしまいました。頼みの綱だったテレビの特撮モノも最近はジリ貧で、テレ朝の決定には逆らえません。
昨年放送の『仮面ライダーゴースト』の平均視聴率は5・1%、やはり昨年放送の『烈車戦隊トッキュウジャー』は3・8%という惨状。どちらも15年前の半分以下に落ち込んでいます」(映画製作会社関係者)
東映に事実関係を聞いてみたが、
「社内で不満を口にするスタッフはいません」(広報)
少年隊は'86年の紅白に初出場した際、司会の加山雄三に『仮面舞踏会』という曲名を『仮面ライダー!』と間違って紹介されて“笑える伝説”と化している。まさか30年後に、仮面ライダーに仕返しというわけではないのだろうが……。