タッキーこと、滝沢秀明が『週刊新潮』(10月4日号)のインタビューを受け、今回の“引退”について、すべてを語っている。

 『滝沢秀明 大いに語る』とのタイトルで5ページにもわたり掲載された記事のなか、気になったのは、競合誌『週刊文春』に掲載された記事に言及しているところだ。

 『文春』では、ジュリー副社長の対立、中居正広との距離についてなどが書かれていたのだが、滝沢はそれらをすべて否定した。

 何か騒動が起きると、対立する者同士が、各々雑誌に“自分寄り”の記事を書かせることは、週刊誌でよく見られるケースだ。その意味でも、芸能事務所とメディアの関係は切っても切れない。

週刊誌との関係を“見直し”

 また、当事者にとって不利になる記事が出た場合、競合誌に「反論記事」が掲載されることもある。今回はそのケース。

そこまでして『文春』の記事を否定したかったのは、本当は事実だからじゃないか、と深読みする人もいます。でも、タッキーがジュリーさんと対立しても何の得にもなりませんよ。ただ、事務所内部では対立があると思い込んでいる人もいます。その人たちに向けてのアピールかもしれません」(週刊誌記者)

 ただ、ジャニーズのタレントが自ら顔を出し、自分の言葉で“事務所の内情”について週刊誌のロングインタビューに答えるというのは、これまででは考えられなかったこと。その先例となったのが、『SMAP解散騒動』で“悪者扱い”されていたころの木村拓哉だ。

「SMAPが解散してちょうど一年が経とうという昨年末に、木村さんが『FRIDAY』のインタビューに答えたんです。元メンバーたちへの思いや、現在の心境など、かなりツッコんだ内容でした。

 その記事はあくまで、“ドラマロケ中に直撃取材された”というていを取っていましたが、木村さんのマネージャーがそばにいたにも関わらず、取材を止めようとしなかった点からしても、事務所も了承済みということでしょう。

 これまで、ジャニーズ事務所は友好関係にある週刊誌以外に、対応することはほとんどありませんでした。ここにきて、各誌との関係をそれぞれ見直そうとしているようです。これは画期的なこと」(前出・週刊誌記者)

  『SMAP解散騒動』はジャニーズ事務所のメディア戦略を変えただけでなく、芸能界の“仕組み”にも影響を及ぼしたという。

「いまでは、一般の方々も知っているように、大手の事務所から独立したタレントは、独立後すぐにはテレビなどで仕事ができませんでした。トラブルがあった場合はなおのことです。いわゆる“干される”という状況ですね。当初『新しい地図』の3人もそうなるのではと、心配されました。ところがそうはならなかった」(テレビ局関係者)

 3人の活躍は、見ての通りだ。テレビ、映画、CMと、今まで通りの活躍ぶり。いや、それ以上と言っていいだろう。

「忖度も圧力もなかったんでしょう。仮に圧力があったとしても、テレビ局は屈しなかったということですね。それは元マネージャーのIさんの力ということもあります。それと、このままでは、ダメだと考えているテレビマンが増えました。

 テレビも変わろうとしています。また、彼ら3人は、ネットに進出し、雑誌を含めあらゆるメディアを最大限に活用し、成功しています。それを見て、ジャニーズ事務所も危機感を持ったんじゃないでしょうか」(制作会社関係者)

 《雨降って地固まる》ということかーー。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。