田中みな実が人気だ。昨年12月に発売された写真集『Sincerely yours...』が異例の売り上げを示し、テレビなど各種メディアにも連日出演している。特に注目を集めているのが、その女性人気の高さ。“女性が嫌いな女子アナ”から“女性が好きな女子アナ”への転身。その背景には何があるのだろうか。
田中は身体づくりに余念がない。仕事に空き時間があれば、ジムに通い、エステに向かう。そんな姿を、彼女はメディアで繰り返し発信してきた。身体は日に日に鍛え上げられていき、近年ではしなやかな背筋を画面に見せるほどになっている。
また、果物を中心に食事には細心の注意を払う。水ひとつとっても、個人の見解に基づくこだわりを見せる。
「人間の体内のpH値って、7.4なんですよ。pH値があってるお水のほうが、身体に吸収されやすくて水分量も上がるので」(TBS系『サンデー・ジャポン』2019年7月7日)
もちろん、これらの言動はバラエティー番組でネタとして取り上げられ、ツッコミの対象にもなる。けれど、継続は力なり。彼女の堅実な取り組みを何度もテレビで見てきた視聴者は、写真集で披露した“美”が“努力”に裏づけられていることを、いつの間にか理解するほどになっていた。
ジム通いなどが常に笑いの対象であったという経緯が、“周囲に笑われながらも頑張ってきた”というストーリーになっている面もあるのだろう。彼女の努力家としての顔は、確かに今の高い支持につながっているように思う。
“ぶりっ子”からの脱却
そんな田中は、2009年のTBS入社当初は目立たない存在だったという。最初に注目されたのは、2011年に『サンデー・ジャポン』でコーナーを任され、“ぶりっ子”キャラを確立してからだ。
また、2014年に退社しフリーになってからは、バラエティー番組で“闇キャラ”を見せ始めた。同時に、女性ファッション誌の表紙を飾るなど美容方面でも注目を集め、最近はついに“美のカリスマ”と呼ばれるようにもなっている。
――と、こうまとめると、彼女は次々とキャラを変えてきたように見える。華麗なる転身を果たし、“ぶりっ子”を脱した結果、女性からの人気を得たように思える。
しかし、実際は少し違う。例えば、浜田雅功の口元についた食べかすをとって食べるといった動作を、田中は今でもごく自然に見せる。それを見たSHELLYは、坂上忍に「ああいうことができる女ってどう思う?」と尋ねられ、こう言い放った。
「私もうホントに嫌いなんですよ」(フジテレビ系『ダウンタウンなう』2020年1月17日)
お酒を飲んで帰った夜は昔の彼氏の写真を眺める、と自身の“闇”を語ることもいまだにある。
「すごく虚無感に襲われるから、それでガラケー差し込んで写真を見て。モテてたころのメールとか見て」(テレビ朝日系『川柳居酒屋なつみ』2019年12月10日)
彼女は今でも以前と同様に、ぶりっ子として女性に嫌われる姿を見せる。闇モードに陥る自分も語る。可愛さや美しさを高めつつ、どこか残念なところがある――そんな存在として、田中はテレビの中で振る舞っているのだ。