新型コロナウイルス感染防止のため、大規模イベントについての自粛を呼びかける要請が政府から発表されて約2週間が経過。軒並みコンサートやイベントが中止になっているが、その影響はドラマ業界にも出始めている。
「ロケ地として使用する予定だった施設が一時閉鎖する場所も出てきたため、ロケ先の変更など対応に追われる作品も多いといいます」(制作会社スタッフ)
そうした影響を最も受けている作品が、4月9日にスタートする石原さとみ主演のドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)。
同名のコミックが原作で、病院薬剤師が主人公の作品は連ドラ初とあって、注目を集めていたが……。
「全国で院内感染をした医師や患者が相次いでいることもあり、“院内感染されると困る”という理由で、病院は特に断られるケースが多いんです。屋内でもロビーや長い廊下などは、スタジオ撮影では対応が難しいシーンもありますからね。ロケ地を探すスタッフは悲鳴をあげていますよ」(フジテレビ関係者)
フジテレビに事実関係の問い合わせを行ったところ、
「制作の詳細についてはお答えしておりません」
とのことだった。
今月クランクインした撮影現場では、スタッフの苦労を無駄にしてはいけないと、石原を中心に現場は活気にあふれている。
「初日は、石原さん演じる主人公と新人薬剤師役の西野七瀬さんとのシーンだったのですが、石原さんがムードメーカーになって盛り上げていました。病室から病室をかなりの早歩きで移動する設定なので、石原さんも思わず“この現場、ずっと早歩きですよね”と口にする場面も」(前出・制作会社スタッフ)
働き方改革によって逆に救われた
6本もの医療ドラマが放送された今クールも、対応に追われる作品があったようだ。
「これまで使用していたロケ先がNGになったところもあり、台本を一部手直しして、スタジオ収録などで対応したそうです。4月期は病院が舞台の作品が少なかったのが不幸中の幸いですね」(芸能プロ関係者)
エキストラ集めにも影響が出ているそうだが、昨今の働き方改革によって救われたと、キー局のディレクターは語る。
「クランクインの時期を早めたり、余裕のあるスケジュールを組んでいたことが功を奏しましたね。自粛が3月中旬くらいで終わるようであれば各局、初回放送日は遅らせずにすみそうです」
素晴らしい作品を作ってもらうためにも、1日でも早いコロナの終息を願うばかりだ。