「残念ながら、あなたといると、私は幸せなんです」
このプロポーズの言葉に胸がキュンとなった人は多いはず。'00年に放送された伝説のラブコメドラマ『やまとなでしこ』(フジテレビ系)がついに帰ってきた。
女性の憧れでもある「王道ラブコメ」
「最高視聴率34・2%を記録した大ヒットドラマです。松嶋菜々子さんが“幸せ=お金”という信念を持つ神野桜子役を、堤真一さんが貧乏な鮮魚店店主の中原欧介役を演じました。気持ちがすれ違っていた2人が結ばれるプロポーズの場面は、ドラマ史に残る名シーンです」(テレビ解説者の木村隆志さん)
再放送されることになったのは、新型コロナウイルスの影響で4月スタートのドラマが延期になったからだ。
「4月からドラマの制作がすべてストップし、月9枠で放送されていた『SUITS/スーツ2』も第3話以降の放送が延期に。空いてしまった枠を埋めるため、過去の名作を再放送することになったんです」(テレビ誌ライター)
'00年以降のフジ系の恋愛ドラマで視聴率トップの記録を持つ同作は、以前から再放送の要望が多かった。それだけに、再放送が発表されると、ネット上では《ずっと見たくてしょうがなかった》《本当に好き。再放送めちゃくちゃ嬉しい》といった、喜びの声であふれた。発表に合わせ開設された公式ツイッターのフォロワー数が、1日で1万人を突破するなど久しぶりのオンエアを喜ぶファンは多い。
「『ハケンの品格』や『花子とアン』などを手がけた脚本家・中園ミホさんの代表作です。玉の輿を夢見る桜子と彼女にひと目惚れして身分を偽ってしまった欧介という対比の王道ラブコメ。月9の人気が落ちはじめてきた時期でしたが、一気にブランドを盛り返しました」(木村さん)
主演の松嶋菜々子が女性の心をつかんだのがヒットの秘訣だと語るのはドラマに詳しいライターの田幸和歌子さん。
「松嶋さんが劇中で身につけるハイブランドのファッションや時計、バッグなどは当時の女性の憧れです。桜子のちょっと見栄を張る性格も、言葉には出しませんが女性の価値観・心情として確かにありました。いまだに“私のバイブル”と言う人も多いです」
前出の木村さんは劇中のセリフが視聴者の共感を得たと話す。
「セリフがとてもリアルで、恋愛や男女関係の本質を見事に突いています。少し過激なものもありますが、共感を得て、男女双方から支持を受けました。『桜子語録』という本にもなったほどです」