僕が茨城で小さいころから夢を語ってきた親友が亡くなりました。本当につらくて、つらくて、前も見えないくらいで……。でも僕は格闘技をやっていて、格闘家です。(中略)リングでどんなにつらいことがあってもメッセージを送り続けます》
 
 8月9日、新型コロナウイルスの影響でおよそ半年間、自粛していた総合格闘技イベント『RIZIN』が神奈川県内で行われた。第5試合に登場し、勝利を収めたキックボクサーの江幡塁は試合後、かみしめるようにこう話したのだった。

「塁さんは、7月18日に亡くなった三浦春馬さんの親友で、今回のコメントは彼へのメッセージとも取れるものでした。三浦さんは塁さんの双子の兄である睦(むつき)さんも含め、小学校時代からの幼なじみ。生前は、江幡兄弟の試合があると、時間の許す限り応援に訪れていました。昨年末に行われた塁さんの試合のときは、三浦さんが一緒に入場の花道を歩いたほどです」(スポーツ紙記者)

控え室でも励まし続けていた

『週刊女性』でも、過去に江幡兄弟の試合をお忍びで訪れていた三浦さんの姿を報じたことがある。

「“よっしゃあ!”とか“いいぞ!”とか、かなりエキサイトして声援を送っていました。勝利が確定した瞬間は、当時交際していて一緒に応援に来ていたダンサーの菅原小春さんと、顔を寄せ合って喜びあっていましたよ」(目撃した観戦客)
 
 小学5年生のときに、地元の茨城県土浦市で出会ったという3人。その絆は深かった。

江幡兄弟が試合で負けて落ち込んでいると、控え室で最後までずっと励ましていたのが春馬くんでした。どんなに仕事が忙しくても、地方ロケなどで東京に戻ってこられないとき以外は、彼らの試合を応援しにいっていましたね」(三浦さんの知人)
 
 試合に顔を出せる可能性が少しでもあれば、多少無理をしてでも会場を訪れていたそう。

「'18年の秋にWOWOWの連続ドラマ『ダイイング・アイ』という作品を撮影していたのですが、夕方に数時間彼の空き時間ができたんです。控え室で休んでいるのかと思ったら、どうやら後楽園ホールへ行っていたらしくて。試合を見終わってから再び現場に戻ってきて、撮影を再開していました。もしかしたら、スタッフに“何とかならない?”と、撮影時間の調整をお願いしていたのかもしれませんね」(芸能プロ関係者)
 
 そこまで彼が江幡兄弟に深く関わっていたのは、幼なじみを超越した感情があったからなのかもしれない。

試合当日は、応援に訪れた江幡兄弟の家族や友人たちを会場でアテンドするなど、完全に家族ぐるみのお付き合いという感じでした。“友達思い”の範疇を超えるほど彼らをサポートしていたのですが、そのウラには春馬くんが家族と疎遠になっていたことも関係しているのだと思います。

 息子たちを全力で応援する江幡家の温かい家族仲を羨む気持ちがあっただろうし、“一時的でも、自分もその家族の一員になれたら”という思いも、少なからずあったのでしょう」(前出・三浦さんの知人)
 
 今回の親友の勝利を、天国にいる三浦さんもさぞ喜んでいることだろう――。