みちょぱゆきぽよフワちゃん、ファーストサマーウイカ、朝日奈央……最近のバラエティーで、いわゆる「バラドル」枠で大活躍の女性タレントたちだ。

 古くは井森美幸や山瀬まみに森口博子、さらにはローラにベッキー、スザンヌ、矢口真里、そして近年では鈴木奈々に菊地亜美、丸山桂里奈など、その時代ごとの人気者が次々登場してきた。

時代とともに求められるバラドルの資質

「一部は入れ替わりも早く、その時代ごとに求められる人たちということになります」とある放送作家は言うが、現在、人気のバラドルたちの特徴はどういったところにあるだろうか。

「昔は笑顔でニコニコしていたり、いじられたときのリアクションの面白さ、さらには天然ぶりあたりが求められましたが、最近は、自分の意見が言える人が人気だといえます。たとえば『○○はどう思う?』とふられたときに、自分の意見、またはその世代を代表するような意見を、自分のキャラにあった等身大の言葉で言える人ですね。意見をビシッと言うことで、共感をもたれるかどうかが人気を左右します」(同放送作家)

 バラエティー番組では、バラドルたちと女芸人が共演する機会も少なくはない。そんなとき、現在、勢いのある3時のヒロイン、ぼる塾といった第7世代の女芸人との“かぶり”はないのだろうか。前出の放送作家は「かぶりはないと思います」と言いながら、彼女たちとの違いをこう説明する。

「芸人さんには芸人さんとしてのボケなど、ちゃんと番組内でのポジションがあります。ただし、そこには笑わせる側の資質が求められることになりますが。フワちゃんの場合は、元芸人であり現在はYou Tuberとして活躍していますが、その肩書きに加え、タメ口キャラを存分に活かすなど、ほかの人たちとはまた違うポジションにいるところが強いですね。予定調和になりがちなテレビ番組を、いい意味で壊してくれる存在です。

 テレビ界全体でいうと、もう少し若い人の層に見てもらいたいという流れがあります。そのため、第7世代の若手芸人を出して、同年齢の層を獲得したいという狙いもあるため、バラドルと同時に若手女芸人もかぶりなく共演できるのです」

 とはいえ、バラドルも女性ならではの事情によって入れ替わり問題が存在する。前述のように、時代ごとに求められるバラドルタレントの要素もあり、このジャンルの競争はなかなか激しいものがある、というのは芸能記者。

「結婚・出産・育児により、いったん最前線から引くことになると、その間に新たな女性タレントが穴を埋めるので、気がづけば戻る場所が少なくなっているということはあります。そうなってしまった場合は、ママドルになるなど新たな魅力を発揮する方向を模索することになるでしょう」

 新型コロナの影響で、大勢のタレントが参加する番組が減ったため、ますます空気が読め、ニーズにあった意見が言えるバラドルが重宝される世の中になってきた。時代とともに形を変えるバラドル戦国時代は、まだまだ続きそうだーー。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉