ヒロシ(49)が再ブレイク中だ。

 2004年から翌年にかけて、ホストキャラの自虐ネタで一世風靡。しかし、今回は「笑い」ではなく、別のものがウケている。ソロキャンプの達人として、ユーチューブを中心に展開、チャンネル登録者は百万人以上だ。

何が起こるかわからない、
再ブレイクまでの軌跡

 実はこの人、極度の人見知りだったため、世に出たあとにやってきたバラエティーでの「ひな壇」ブームに置いていかれ、一発屋となった。が、その後もひっそりと生き残り、また浮上してきたわけだ。ネタの独自性に加え、その存在そのものが面白かったからだろう。

 そもそも、一発屋の魅力とは、そのこじらせ方にある。ちやほやされる天国から一気に地獄へ突き落とされ、そこから始まるさまざまな迷走。2発目を狙ってもがいたり、事業に手を出して借金を背負ったり、いきなり選挙に出て落選したり、なかには代表作を封印して、数少ないファンに逃げられたりする人もいる。

 浮き沈みは人生につきものとはいえ、それが極端なのだ。それゆえ「あの人は今」的なテレビ番組や雑誌の特集が根強い人気を保っている。

 ところが、最近は開き直る人が増えてきた。自分は一発屋のままでいいとして、あまりもがくことなく、ゆるい感じで生き残ろうとするパターンが目立ち始めたのだ。これは一発屋ユニットを作って波田陽区やダンディ坂野、小島よしおらを再生させた島田紳助や「“一発屋という肩書”で仕事をする人間」こそが現代の一発屋だと説いた山田ルイ53世(髭男爵)の影響だろう。

 しかし、ヒロシ一発屋はイヤだと公言。ネタを見せても、しゃべらなくても一発屋と言われるとしてテレビを拒絶したあげく、

「急に出なくなると、いろんな人がけっこう態度を変えるんですね。露骨すぎて」

 と、愚痴ったりもした。すなわち、昔ながらの一発屋のこじらせ方なのだ。