井ノ原快彦が主演を務める『特捜9 season4』(テレビ朝日系)が好調だ。
「初回の13・2%から5話連続で2ケタ視聴率をキープ。第3話では、津田寛治さんが演じる刑事の村瀬が何者かに刺されるという衝撃的な事件が。一命をとりとめたものの重傷で、現場復帰できていません。村瀬抜きで、物語が進んでいます」(テレビ誌ライター)
刑事ドラマにはありがちな展開だが、これは降板のための伏線だという。
「津田さんが辞めたがっているという話は、前からありましたからね。シーズン4を受ける条件として、最初と最後しか出ないと言っていたそうです。離脱は既定路線なんでしょう」(テレビ朝日関係者)
『特捜9』は'06年から'17年にかけて放送された『警視庁捜査一課9係』シリーズの続編。『9係』時代から出演する津田は、新シリーズのやり方に不満があったようで……。
「『9係』は主演を務めた故・渡瀬恒彦さんの色が濃いドラマでした。スタッフとキャストの結束が強く、裏方や若手をも気遣う“渡瀬イズム”が浸透していたんです。渡瀬さんは'17年に亡くなり、井ノ原快彦さんがバトンを受けることに。主要キャストは続投しましたが、現場には不協和音が生じたといわれています」(スポーツ紙記者)
さらにキャストが辞めていくかも
主人公が30歳ほど若くなり、番組も若返りが必要だとして、ベテラン監督やプロデューサーがはずされたのだ。
「“渡瀬さんが作り上げてきた現場を壊された”と感じた人もいたようです。中でも津田さんは、渡瀬さんを慕っていただけにかなり強く反発していたそうです」(同・スポーツ紙記者)
それでも古参スタッフの解任は続き、シーズン3終了後には『9係』時代から唯一残っていたプロデューサーのA氏まで現場からはずれることに。
「Aさんも昨年末まで元気だったんですが、今年2月に急逝。シーズン3の時点で辞めたいと言っていた津田さんを引き留めたのもAさんでしたから、今回ばかりは津田さんの意思も固いのでは。井ノ原さんや制作陣は必死に引き留めていますが、功労者の急逝で現場には“落胆ムード”が漂っていて、このままだとスタッフやキャストがさらに辞めていくかも……」(前出・テレビ朝日関係者)
主要キャストなだけに、ドラマの崩壊も招きかねない津田の降板。その意思を確かめるべく、5月上旬、自宅から出てきた本人を直撃した。
─『特捜9』を降板するという話がありますが?
「いや、ちょっと……」
─シーズン4の前から、降板の意思が固かった?
「僕の口からは、何も話せません……」
口をつぐんだまま足早に去っていった。津田の所属事務所にも問い合わせたが、
「現時点で、弊社からお答えできることはありません」
と沈黙を守る。同様にテレビ朝日にも尋ねたが、期日までに返答はなかった。多くの難事件を解決してきた『特捜9』。チームの崩壊も、井ノ原の腕で阻止できる?