「あの子が生まれてすぐのときも預けられとったし、去年の夏も来とった。一緒に買い物に行ったりして、仲のええおばあちゃんと孫に見えとったんやけど、何があったんやろ……」
容疑者の自宅近くの住民は呆気に取られていた。
大阪府警は1日、去年の7月に孫の豊岡琉聖翔(りせと)ちゃん(当時3)に暴行して死亡させたとして、同府寝屋川市の祖母で介護士の寺本由美(よしみ)容疑者(46)を傷害致死と暴行の疑いで逮捕した。
7月27日、同府東大阪市に住んでいた琉聖翔ちゃんは両親の仕事の都合で、父親の母である由美容疑者のもとに、妹とともに預けられていた。すると、
「30日の午後7時30分ごろ、容疑者は琉聖翔ちゃんと一緒に飲食店に行って、そこで頭を殴ったようです」(地元紙社会部記者)
この暴行について由美容疑者は、
「琉聖翔が食事の前に水をがぶがぶ飲んだことは注意したが、そのとき頭を殴ったかどうかは覚えていない」
と容疑を否認している。だが暴力はこれだけではなかった。
脳への強い衝撃と全身にあった多数のあざ
「30日の午後9時ごろから、翌31日の午前11時30分までの間に、頭や胸などをなんらかの方法で殴打したようです。全身に多数のあざも確認されていますが、司法解剖では脳に強い衝撃を与えたことによる脳ヘルニアが死因となっています」(同・社会部記者)
暴行の数時間後、琉聖翔ちゃんの体調が急変する。容疑者はそのとき仕事に出ていて不在で、自宅にいた容疑者の次男が琉聖翔ちゃんの異変に気づいた。
「高熱が出てけいれんしていて、呼吸もない」
と119番通報するも、すでに手遅れだった。
冒頭の近所の住民は容疑者について、こう語った。
「10年ぐらい前に、男の子3人を連れて引っ越してきてね。女手ひとつで、3人を育てあげたんよ。身長も高いし、がっしりした女性やけど、性格はごくごく普通やわ。とにかく、仕事も子育ても大変そうな感じでね。若いけど、苦労したのかフケて見えた。なりふり構わず、がむしゃらだったからやろうねぇ」