日用品や食料品、光熱費と、毎月、何かが値上がりしている状況に、「節約しなきゃ!」と家計を見直し始めた人も多いのでは?
真っ先に見直しの対象となるのはやはり食費。外食を避け、自炊をしている人も多いだろう。
「アラフィフ世代以降には、自炊は必ずしも節約につながりません」
と話すのは、さまざまな節約術を提唱している「ミニマリスト主婦」の本多めぐさん。
節約するなら自炊その考えはもう古い
「食費節約に大切なのは、『自炊』『健康志向にこだわりすぎず、普通の安い食材を買う』『作りすぎない』だと思い実践していました。特に自炊は欠かせないと思い頑張っていましたが、食費を計算してあることに気づきました。それは、食べる量が減ると、惣菜購入が節約につながるということです」(本多さん、以下同)
節約につながるとは、どういうことなのか。
「夫婦2人暮らしなのですが、若いころは夫も1回の食事で2人前は食べていましたが、年齢を重ねるにつれ食事量が減りました。1人暮らしや夫婦ともに少量しか食べないといった場合は、手作りも惣菜もそれほど値段が変わらないと気づいたのです。それに、疲れやすい50代はどうしても動きたくない日もありますよね。なので、何がなんでも自炊をするぞ、とこだわるのをやめたんです」
今では毎日の献立に惣菜を積極的に活用中。本多さん宅では、お菓子や飲み物などの嗜好品4千円分やデリバリー利用代金を含んでも月の食費は3万5千円で1人1万円台、食費をしっかり抑えつつ、家事時間の短縮も実現している。
「お惣菜と聞くと手抜き・美味しくないといったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、最近は食材からこだわり、揚げ物もカラッとした味の良いものが増えています。美味しくて節約&時短につながるのであれば、活用しない手はありません」
まずは毎日の献立を振り返り、1食そして各メニューのコストを把握しよう。その金額と惣菜の価格を比較し、惣菜のほうが安い、もしくはほぼ同じなら、惣菜の活用がオススメ。
1食の食費目安をざっくり計算して把握
お得に惣菜を活用するためには、まず1回分の食事を自炊した時にかかる金額を把握することが重要。そこで本多さんに大まかな計算方法を教えていただいた。
ごはん1膳 28円
→お米は10㎏(=67合)で3700円ほど。1合はごはん2膳分なので、1回の食事で1膳食べる計算で、ごはん1膳=28円に。
汁物(みそ汁・スープ)1杯 20円
→汁物の具はネギや白菜、大根などの淡色野菜とキノコ、海藻類を利用。どれも安価なので具は10円以下、平均して汁物は20円と計算。
メイン料理は食材によって大きく異なる!
→卵や魚は購入金額を人数で割れば1個(切れ)の単価を算出できます。肉はそれぞれ1人当たり100gで考え、豚ひき肉100円、豚スライス肉100円、鶏むね肉60円、鶏もも肉85円として、使用量に合わせて計算します。食材の高騰が続いている今、メインを惣菜に置き換えるほうがお得になるケースも増加中!
【ポイント】1食あたりトータル250円以内をめざすと食費を上手に削れる!
「惣菜のほかにも、レトルト食品や冷凍食品を取り入れるのもオススメ。レトルトのカレーやミートソースなどは、災害時の備蓄用にもなります。賞味期限の入れ替えのタイミングで食べるのでムダにはなりません。最近は、お高めのレトルト食品を買って、いつものと食べ比べる……といったプチ贅沢を夫と楽しむことも」
そんな、食費の節約にも余念のない本多さんだが、食費が今の倍近くかかっていた時期もあったという。
「健康志向が強いときがあって、有機農法の野菜や天然の調味料を買うなど、こだわっていました。月の食費が、夫婦2人で6万円台だったことも。身体には良くても家計を圧迫してイライラしては意味がないので、今では普通の食材を購入しています。
そんなふうに、その時々で柔軟に家事の仕方や、お金の使い方を見直すことも大切。見直すことで、お惣菜を活用する節約にも気づけました」
では、具体的にどんなメニューが作るよりも安くてお得なのだろうか。