近年、健康に良いとされている「サウナ」。その魅力にハマる芸能人は数知れず。血流改善や疲労回復、美肌効果もあると言われるサウナだが、逆に健康を害すこともある。そう話すのは、温泉療法専門医でもある早坂信哉先生だ。サウナ好き芸能人の入浴方法は果たして正解? それとも……
免疫力を上げるというと、まず思い浮かぶのがサウナ。サウナは『サ道』(テレビ東京系)をはじめドラマや特別番組が放送されるなど相変わらずの人気だ。女性では、橋本環奈、天海祐希、新内眞衣らがサウナ好きとして知られている。
熱いサウナと冷たい水風呂に交互に入ることで、血流改善や疲労回復が期待できるが、極端な入り方は健康を損なうおそれがあるという。温泉療法専門医でもある早坂信哉先生はこう語る。
「サウナで温めて広がった血管が、冷たい水風呂で一気に収縮するとポンプの原理で血流が促進されます。しかし血管や心臓に強い負荷がかかるため、心筋梗塞などの病気が増える50代以降はリスクが高まります。また、若い世代でも不整脈の危険性があり、要注意です」
サウナの危険な入り方、TOKIO・松岡昌宏は倒れた過去も
数年前、TOKIOの松岡昌宏がトレーニングの後、十分な水分をとらずにサウナに入って倒れ、救急車騒ぎを起こしたニュースを覚えている人も多いだろう。
「トレーニングの後、水分をとらずにサウナに入るのはとても危険なことです。トレーニングによって脱水が進んでいる上に、サウナでさらに脱水が進むと熱中症になりやすい。たとえ熱中症にならなくても、血液の粘り気が強くなって血流が悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞などの血管が詰まるタイプの病気になる可能性もあります」(早坂先生、以下同)
サウナに1回入ると約500mlの汗が出るという。水分補給はとても大事だ。
サウナ歴15年以上、筋金入りのサウナー・鈴木砂羽は、《私の場合はちょっとストイックで。まずお風呂で体を温めたあと、サウナ10分、水風呂3分。これを4〜5回繰り返します》
人がいないときには、サウナの中で腕立て伏せや腹筋、スクワットをすることもあるという。以前、バラエティー番組で「まずビールを軽く飲んで風呂やサウナに入るというのが“砂羽流”」とも発言していた。
「お酒を飲んでサウナに入るのはとても危険です。お酒を飲むとアルコールの影響で血管が広がり血圧が下がります。サウナでも温熱作用で血管が拡張するのでさらに血圧が下がり、場合によっては意識を失うこともあります」
早坂先生によると、飲酒してサウナで寝込み、ひどい熱中症や熱傷になった報告もあるという。
《2日に1度サウナに行く》とテレビ番組で告白していたのは北川景子。サウナは「自分との戦いだ」と、1回にサウナと水風呂を4セットほどこなすという。
2日に1回サウナに入るというのは、入りすぎではないのだろうか。
「頻繁にサウナに入るのはむしろ良いことです。サウナの聖地・フィンランドの研究によると、サウナに入れば入るほど、脳卒中や心筋梗塞を防ぐことができるという報告もあります」
ただし、直前に筋トレをしたら水分を十分にとる、入る前の飲酒は避けるなど、常識を踏まえた正しい方法で入ることが重要なのは言うまでもない。“ミイラ取りがミイラに”ではないけれど、水分不足で“整わなくなってしまう”ことだけは避けたいものだ。
【取材・文/田村未知(さくら編集工房)】