目次
Page 1
ー ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」
Page 2
ー ドラマ化をOKしてもらいさえすれば、こっちのもん!
Page 3
ー 「事情を知らない人」は語るな
世の中には「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」だけでなく、「ヤバい男=ヤバ男(ヤバダン)」も存在する。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、芸能人や有名人の言動を鋭くぶった斬るライターの仁科友里さんが、さまざまなタイプの「ヤバ男」を分析していきます。 

第35回 宮根誠司

「セクシー田中さん」(小学館)などで知られる人気漫画家・芦原妃名子さんの訃報。「セクシー田中さん」は日本テレビによってドラマ化されていましたが、少し前に芦原さんは製作上のトラブルをSNSで打ち明けていました。

 ことの発端はドラマ版「セクシー田中さん」の脚本家が、「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることになりました」というSNSでの一文。原作者が脚本を書くというのは、あまり聞いたことがない。故に、「作者がウルさくて、自分で書くって聞かなくて、自分はアシストにまわされた」とでもいうような恨み節的ニュアンスを私は感じました。

ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」

 一方の芦原さんは、X(旧ツイッター)でなぜ自分が9話、10話の脚本を書いたのか経緯を説明しています。現在は削除されていますが、まとめてみます。

・ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合は、しっかりと加筆修正をさせてほしい。

・漫画は未完なので、ドラマの終盤については「原作者があらすじからセリフまで」用意する。場合によっては原作者が脚本を担当する。

・ドラマの製作スタッフにとってやりづらいことが予想されるので、この条件で本当にいいのか、小学館の編集者を通じで日本テレビに何度も確認をとっていた。

 つまり、脚本を原作者が担当する可能性があることについては、あらかじめ合意を得ていたと主張したわけで、原作者と制作陣の間に深い溝があったことを感じさせます。それから数日後にもたらされた訃報だっただけに、誰にとっても大変後味の悪いものとなってしまいました。