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ー 故人に対する冒涜以外の何物でもない

 『舟唄』『雨の慕情』など多くの名曲を世に送り出してきた“演歌の女王”八代亜紀さん。2023年12月、闘病の末に73歳の若さで帰らぬ人となってしまったが、発売予定の追悼アルバムの特典に衝撃の事態が発覚。ファンから怒りの声が噴出している。

故人に対する冒涜以外の何物でもない

 その生涯を通じて演歌の心を伝えて来た八代さんはまた、多くの人々に手を差し伸べ続けた。少年院や女子刑務所への慰問を始め、東日本大震災の際には、避難所で寒さに震える人々のために数千枚の畳を寄付し、熊本地震の際には自ら被災地に足を運び、チャリティーコンサートを開いてきた。

「最後の最後まで人を思いやる人でした。亡くなる直前にも、児童養護施設の子どもたちにクリスマスプレゼントを送っていたんです。自分がどんなに苦しくても、誰かを励ますことを忘れない方でした」と芸能ジャーナリストは語る。

 そんな八代さんをめぐる前代未聞のトラブルを報じたのが、3月27日・4月3日号の『女性セブン』だ。それによると、九州に拠点を置くレコード会社「ニューセンチュリーレコード」が、ベスト盤『忘れないでね』を4月下旬にリリースすることを告知したのだが、その特典に40年以上前に撮られたという裸の写真を封入することを告知したのだ。

 同社のホームページでは「八代亜紀の初めてのヌード写真です」と派手に宣伝されており、非道な商業主義が浮き彫りとなっている。

 同社は八代さんの約260曲の楽曲の原盤権を所有していると主張し、これまでに複数のアルバムを制作してきたという。だが八代さんの名曲を世に送り出してきた一方で、彼女との契約をめぐる問題もあったとされる。

「八代さんは1986年にセンチュリーレコードから日本コロムビアに移籍しました。その後、センチュリーは経営難に陥ったため、のちに八代さんを含む歌手の原盤権やその他の財産を買い取ったとのことです。この経緯を理由にセンチュリー側は“当時の音源も写真も自由に使える”と主張していますが、倫理的に許される話ではありません」(音楽業界関係者、以下同)

 その中に、当時八代さんと親しい関係にあったとされる元音楽ディレクタ―N氏が撮った彼女の写真も含まれていたのだという。だがこのような形で世に出すなど、故人に対する冒涜以外の何物でもない。

 ネット上でも怒りと疑問の声が殺到している。

《デリカシーのかけらもない》
《亡くなった方を利用する金稼ぎって本当気分悪い》
《金の為なら八代さんの名誉もプライバシーも関係ないハイエナどもには反吐が出る》 

 アルバムの紹介文には「Nディレクターによってポラロイドカメラで撮影されたフルヌード写真2枚が掲載されています」と明記され、ファンや関係者の怒りを一層煽っている。

ヌード写真を封入するという八代亜紀さんの追悼アルバムの紹介(ニューセンチュリーレコードの公式HPより)
ヌード写真を封入するという八代亜紀さんの追悼アルバムの紹介(ニューセンチュリーレコードの公式HPより)

「追悼アルバムは故人の音楽を称え、その功績を振り返るもののはず。そんなプライベートな写真を封入するなんて前代未聞だし、明らかな冒涜行為です。何より今回の件で最も問題なのは、八代さんの意志が完全に無視されていることです。レコード会社側は権利を主張していますが、果たしてこのような形で世に出ることを望んでいたのでしょうか」

 追悼という名のもとに行われる許されざる暴挙。発売の行方やいかに……。