1月15日スタートの金曜ドラマ『わたしを離さないで』(TBS系)のタイトルにちなみ、“離すことができないもの”は何か聞くと、綾瀬はるかはこう答えてくれた。
「手放せないものは、やっぱり“愛”ですね」
英国最高の文学賞、・ブッカー賞を受賞したロンドン在住の日本人作家、カズオ・イシグロによって’05年に発表された長編小説『わたしを離さないで』。
英国で100万部を超えるベストセラーとなり、映画化され、日本でも舞台化された名作を世界で初めて同名でドラマ化する作品で、“ある使命を持つ、特別な子ども”として育てられた主人公の保科恭子を演じる。
「こういう子、絶対にいるって思いました。与えられたものを“わかった”って、現実として受け入れる。多くは発さないけど、いろいろなものを背負ってきた過去がある恭子の佇まいというか、存在感を大事にしたいなって思っています。
恭子に似ている部分? あるかもしれないですね。でも、自分のことがよくわからなくて(笑い)。こういう性格かなって思っていたら、あれっ、こういうところもあるんだと思ったり、周りの人から言われると、確かに、こんな部分も持っているって(笑い)。わからないぶん、どの役にも似ているなって思うから、枠にはまらないこともいいのかもしれないですね」
キラキラとした笑顔で語る。脚本の森下佳子は、今作が30歳になった綾瀬への挑戦状だと語っている。
「そうだったんですね!? 森下さん、なにも言わないから。受けて立つぞ(笑い)! 頑張ります」
昨年3月、30代に仲間入り。なにか変化はあった?
「基本は、変わらないって思うんですけど、どこか30代のスタートっていうことで意識が違う気がします。以前に比べて、自然に自分の意見を言えるようになったりとか。
意見っていっても“この髪型、こうしたほうがいいですかね”みたいな小さいことですけど、ちょっとしたことで印象って変わると思うんですね。だから、遠慮しすぎるより、意見を言い合って、いい作品ができるようになったらいいなと思って」
金曜ドラマ『わたしを離さないで』(1月15日スタート/毎週金曜夜10時~)でTBS系連続ドラマ“初”主演。また、3月から連続4回、3年にわたり放送されるNHK放送90年大河ファンタジー『精霊の守り人』にも主演。主演映画『高台家の人々』も6月4日公開予定。
撮影/佐藤靖彦