幸か不幸か、安倍首相のおかげで安全保障関連法案そのものへの関心が高まった。この時流に先駆けて、東京新聞論説兼編集委員で’92年より防衛庁取材を担当している半田滋さんが自衛隊のプライベートについて教えてくれた
福利厚生が充実しているらしい
駐屯地や基地には売店、理髪店、食堂、喫茶店、図書館などがある。身体を鍛えるのも仕事のため体育館のほか、プールもある。
託児施設は陸自の真駒内駐屯地、三宿駐屯地、熊本駐屯地、海自横須賀基地、朝霞宿舎地区の5か所。防衛省の隊員向けアンケートで託児施設はあったほうがよいとの回答は9割を超えており、全国で5か所では要望には応えきれていない。
三宿駐屯地の託児所の場合、定員は0歳児から5歳児まで32人。月曜日から土曜日まで午前7時から午後9時まで子どもを預かってくれる。ただし、市町村の認可保育所より高額。
防衛省が自衛官と知り合える結婚相談所やHPを開いているらしい?
「そのようなものは一切ありません」(防衛省広報課)
実際、インターネット上で検索できるが、主催者はすべて民間。だが、元自衛官だったりと、つながりがある人たちが運営している場合が多い。
自衛官になるときや結婚するときに経歴を調べられるの?
自衛官の採用にあたり、志願票に記載された事柄の確認をするほか、自衛隊法で定められた欠格事項(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者など)に該当しないか調査する。結婚相手まで調べることはない。
自衛官と結婚したら官舎に入るの?
独身隊員は原則、駐屯地や基地に居住し、結婚すれば許可を得て営外に住むことになる。駐屯地や基地の近くに官舎があり、民間と比べ、格安の家賃で住むことができる。
ただし、官舎の多くは築20年前後と古く、またご近所付き合いの煩わしさから民間のマンションを借りる人も。もちろん、マイホームを持つのは自由。幹部は全国への転勤があり、建てたとたん異動になるというジンクスがある。
監修:半田滋(はんだ・しげる) ●東京新聞論説兼編集委員。’92年より防衛庁取材を担当している。2007年、東京新聞・中日新聞連載の「新防人考」で第13回平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)を受賞。