誰しも1度はお年玉の恩恵にあずかったことがあるとはいえ、時代によって社会状況も懐事情も違う。そこでお年玉について、街の声を聞いた。
「小学6年生の甥っ子にお年玉(5000円)を渡したところ、“え~これだけ~?”と言われた。ふざけんな! こっちからしたら“どんだけ~!”って言いたいわ。生意気なので、もう2度とあげないことにしました」(40代・女性)
「いくらがいいのかわかりませんよね。法律や義務ではなくて、慣例なので塩梅に困ってしまう。しかも、不景気なので私自身あまりお金を持っていない。1000円くらいじゃダメ?」(30代・女性)
お年玉の相場は、小学校低学年なら1000~3000円、高学年になると3000~5000円。中学、高校は5000円で固定される傾向が強く、大学になるとついに大台突破の10000円というケースが多いようだ。
「僕は4人きょうだいの末っ子なので、甥っ子と姪っ子が合わせて7人もいる。正月に実家に帰ると、ワクワクした子どもたちが僕のもとに近寄ってくるのですが、かわいい顔した借金取りにしか見えない! なんで7人もいるんだよ……彼らが成長したとき、僕は破産します!」(30代・男性)
「正月、実家に帰らなかった際に、3つ上の兄から“ウチの子にお年玉をやりたくないから帰省をずらしたんだろ?”と言われてカチンときた。図星だっただけに“はぁ? 次あったら10000円渡したるわ!”と電話で啖呵を切ってしまって……過去に戻って電話口の自分を殴りに行きたい」(20代・女性)
「子どもに罪はない! でも、こういうときだけ急にプレッシャーをかけてくる肉親がムカつく。どうせお前ら、ピンハネする気だろうが! 僕はお金ではなく、子どもたちの欲しいものを現物取引にしています」(30代・男性)
子どものためのイベントであって、親が「もらって当たり前」と考えるのはちょっとヘン?
「最近は“お盆玉”が流行りつつある。おまけにハロウィンも一般化しています。誕生日にクリスマス……いったいどれだけ出費の機会が増えるのか。お盆玉なんて、年寄りから若い世代に無理やりお金を流そうとする国の施策としか思えない」(50代・女性)
もらう機会が増えすぎて、子どもまで「もらって当然」なんて考えが蔓延したら世も末。もっとお金の大切さを知る機会につなげないと意味がない。
「私は子どものときに、誰からいくらもらったかをメモしていた。翌年に額がアップすると、なぜ上がったのか自分なりに考え、もっと頑張ればその分、お年玉も増えていくという結論に至った(笑い)。クリスマスや誕生日とは違い、お年玉は私に対する肉親が集う株主総会の場として認識していました」(40代・女性)